世界のチーク流通経路に関する取引情報の照合調査の初期調査結果は、ラテンアメリカおよびアジアの森林管理認証取得者から、アメリカやヨーロッパの加工・消費市場に至るまでのチークの世界的な取引パターンが非常に複雑であることを明らかにしました。
この取引情報照合調査の第1段階では、ASIがヨーロッパ、アジア太平洋地域、アメリカ大陸の17か国にまたがるFSC認証チークの取引フローをマッピングしました。この分析は、2024年1月から12月までの期間に対して、661の認証取得者(サイトおよびグループメンバーを含む)から収集された取引データに基づいています。
世界の取引パターンから分かること
FSC 100% チークとして表示された原材料は、主にコスタリカ、メキシコ、ニカラグア、パナマ、タイから供給されています。
ラテンアメリカ産チークはアジアおよびヨーロッパ向け輸出で主導的な地位を占めており、中国、香港、シンガポール、ベトナム、オーストリア、オランダなどの市場に供給されています。
タイ産チークは、アジア、ヨーロッパ、アメリカでさらに加工されています。
国別の主な分析結果
インド:
インドでは、認証範囲にチークを含む143の認証取得者のうち、実際に取引を報告したのは11社のみでした。ほとんどのFSC表示は FSC管理木材(FSC CW) または FSCリサイクルでした。
インドで取引されている FSC 100% チークは、主に仲介業者を通じてラテンアメリカから輸入されています。
イタリア:
イタリアでは、取引情報を提出した253の認証取得者(グループメンバーやマルチサイトを含む)のうち、37社がチークの取引を報告しました。これらの企業は、メキシコ、アジア(インド、インドネシア、シンガポール、タイ、中国)、EU域内(ドイツ、ポルトガル)からチークを輸入しています。
イタリアから販売されたチーク製品は、主に国内およびEU域内のバイヤー向けで、その多くは非認証事業者(最終消費者を含む)に販売されていました。
さらなる調査が必要な潜在的リスク
取引分析の結果、サプライチェーン上流では、購入された木材量と販売された製品量が一致しないケースが確認されました。このような数量の不一致は、非認証材が認証サプライチェーンに混入している可能性を示唆しています。
いくつかの認証取得者はFSCデータベース上で「販売なし(no sales)」と報告しているにもかかわらず、その取引先の購入申告が存在するケースが確認されました。認証取得者は「販売なし」と申告すれば年次監査を免除される場合があります。しかし、今回確認されたような不一致は、「隠れ販売(hidden sales)」と呼ばれる状況を示している可能性があります。この場合、本来年次監査で確認されるはずの非認証材の流入リスクが見逃される可能性があります。
非認証企業から調達されたFSC管理木材およびFSCリサイクル材の存在は、こうした材料がサプライチェーン内に流通していることを示しています。
今後の対応:取引調査フェーズ
一部の認証取得者が「FSC販売なし」と申告することによって生じるサプライチェーンの信頼性リスクを踏まえ、FSCは「FSC販売なしの情報開示」に関するアドバイスノートを2026年1月1日から施行しました。
また、FSCはFSC検索に新機能を追加し、直近の監査で「FSC販売なし」と申告した認証取得者の名称を閲覧できるようにしました。
FSC認証取得者には、この情報をデューデリジェンス、コンプライアンス対応や取引先とのコミュニケーションなどに活用することが推奨されています。
ASIは今後も取引データの分析を継続するとともに、関連する認証取得者との協議を通じてFSC要求事項への適合性を確認していきます。また、初期調査で特定された高リスクのサプライチェーングループやリスクの高い行動が疑われる認証取得者については、取引情報照合調査の第2段階でさらに詳細な調査が行われる予定です。
過去のニュース:
FSCのチーク材流通経路に関する調査| 2025年2月 (取引情報照合調査開始のお知らせ)
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