CoC認証
加工・流通過程でFSC認証材が他の不適格な木材(例:違法木材など)と混ざってしまっては意味がありません。本当に適格な製品のみにFSC商標が使用されるよう、FSCにはCoCの細かい規格、ルールがあり、認証材、製品を扱う業者はこのCoCのルールを満たし、認証を取得している必要があります。使用されるCoC規格は、対象となる組織の業務内容、形態、拠点の数、認証製品の種類、原材料の種類などに応じて異なります。規格の内容には、認証原材料や製品がそうでないものから分別され、識別されているか、使ってもよい原材料の種類や量が規定を満たしているか、適切な表示をつけて取引されているか、記録はきちんと残されているかなどといったことが含まれます。
CoC認証の対象となるのはFSC認証製品の所有権をもつすべての組織であり、これには伐採業者、加工業者、製造業者、流通業者、印刷業者、小売業者*などが含まれます。FSC認証製品をFSC認証の表示つきで販売したり、FSC認証製品として宣伝するには必ずCoC認証を取得しなければなりません。例え認証林から生産された木材でできた製品であっても、CoC認証を受けていない業者の手を経たものは、加工・流通過程で本当にきちんと管理されているか確認されておらず、トレーサビリティが確保されていないので、認証製品と呼ぶことはできないのです。
*注:一般の最終消費者にFSC認証製品を販売しているだけの小売業者には認証取得は必要ありません。ただし、建設業者などに認証製品を卸し、その建設業者がFSC認証製品を建築における環境認証のクレジットとして活用するような場合は認証が必要です。
単独認証、グループ認証、マルチサイト認証
CoC認証は1つの組織単独でも取得できますが、複数の小規模組織が共同で1つの認証を取得することもできます。前者を単独認証、後者をグループ認証といいます。グループ認証の場合、認証管理の責任をもつグループ体と、グループに参加するグループメンバーで責任が異なります。各メンバーはそれぞれFSC CoC規格の要求項目を満たす義務があり、グループ体はそれを監視する責任をもちます。
グループ認証の場合、審査はサンプリングにより行われるので、各メンバー組織ひとつひとつが単独認証を取得するよりも全体として認証取得・維持にかかる費用を抑えることができます。
また、同一組織が複数のサイトを管理・運営している場合、マルチサイト認証という扱いで複数のサイトを含む1つの認証を取得することができます。例えば、企業が国内の複数の場所に工場を持っているような場合が当てはまります。また、関連会社もサイトとして含めることができます。