FSC認証の広がり

設立から約四半世紀を経、FSCは世界中に広がり、その影響は社会や環境に大きく及んでいます。2024年3月現在世界で1億5900万ヘクタール(159万 km2)以上もの森林が認証され(FM認証)、CoC認証は6万1000件を超えました。
 

FSC development

FSCの認証製品は、家具や木工品、紙、本などの印刷物として世界中に出回っています。紙や家具に加え、認証林から生産された非木材林産物の蜂蜜やメープルシロップ、キノコ、ゴムボール、籐の家具、竹や竹製品、プロジェクト認証で認証された建物などもあります。日本でもティッシュペーパー、ジュースの紙パック、パンフレットや企業の年次報告書、カレンダーなど、FSCマークを目にする機会が増えてきました。

FSCの一般の認知度も高まっており、2018年の調査ではイギリスの70%を筆頭に世界平均で50%の人がFSCマークをよく見る、またはたまに見ると回答しています。2020年にFSCジャパンと一般社団法人 日本サステナブル・ラベル協会が共同で実施した、国際認証ラベルの認知度及び購買行動との関係や影響に関する調査では、国内のFSC認証マークの認知度は21.9%となり、3年前に実施した別の調査では18%だったことから、単純な比較は出来ないものの、FSC認証取得者数の増加や、FSC認証マーク付きの製品数の増加、SDGsへの関心向上を背景に、着実に国内での認知が向上しつつあることを実感しています。

また、FSCは最も信頼度の高い森林認証制度として、重要な国際イベントでも多く使われています。2009年の米国オバマ大統領の就任式の招待状や2011年のイギリス王室のロイヤル・ウェディングの招待状にもFSC認証紙が使われています。また、オリンピックでは2010年にカナダで行われたバンクーバーオリンピックの選手村、オリンピック村およびパラリンピックセンターの建設にはFSC認証木材が使用されました。2012年のロンドンオリンピックでもオリンピック公園がFSCプロジェクト認証を取得し、国際的イベントにおいてFSC認証材を使うことは近年、世界的な流れになっています。

FSCの影響は市場だけに留まりません。森林管理の現場では、管理に利害関係者を広く巻き込むFSCの要求事項により、先住民族など、弱い立場にあった人々の声が森林管理者に届くようになったところや、FSCを取得する過程で、安全面などの労働環境が大幅に改善されたという事例もあります。また、FSCが生み出した高い保護価値(HCV)という概念も自然保護の分野で大きな影響を与え、パームオイルなどの他の認証制度にも広く使われるようになりました。

日本国内ではFM認証は34件、認証面積約42万ha、CoC認証は2196件あります(2024年3月現在)。

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