FSCトレースとは
FSCトレースはFSC認証プロセスを戦略的に強化するシステムで、森林から始まって陳列棚に並ぶまでの過程で、すべての製品が持続可能であること、法令に準拠していること、効率的に管理されていることを保証します。このプラットフォームはブロックチェーン技術を土台とし、参加者は、秘密を保持しつつ柔軟かつ効率的に関連データにアクセスし、データを交換することができ、情報の検証やデューデリジェンス、そして変遷する規制への適合をお手伝いします。
FSCトレースへの参加は任意で、FSC認証取得者またはFSCプロモーションライセンス取得者が参加できます。
FSCトレースにアクセスするには
現在FSCトレースはベータ版で、限定されたサプライチェーンで厳格な試験を実施中です。
2025年初めから積極的に企業へ登録をご案内する予定で、まずは優先アクセス登録した企業から開始します。まだ未登録の企業は、こちらでご登録いただけます。最初のリリースでは、ユーザーのプラットフォームアクセス、取引相手との接続、製品の設定といった中核的な機能を優先します。
スピーディなリリースサイクルで、新機能が使用可能になるに従い順次追加していきますが、特にFSC EUDR対応報告機能を優先します。
FSCトレースでサプライチェーンのパフォーマンスアップ
データフロー
サプライチェーン全体がプラットフォームに参加し、ユーザーがデータ共有を許可した場合、サプライチェーン全体を通した途切れのないデータフローにより、検証とトレーサビリティの両方を実現します。樹種、地理的位置情報、伐採時期などの検証可能な情報がこれに含まれます。
EU規制への適合性
EU地域の現行規制や今後導入される規制に完全対応しており、変遷する基準に確実に適合するようになっています。
管理の負担を軽減
認証プロセスの様々な要素を自動化することで、管理上の負担軽減が可能になります。これには、数量集計や製品グループリスト、樹種リストの生成や、サプライヤーの認証の検証が含まれます。
FSCライセンス取得者の規制準拠やEUDR対応を支援
FSCトレースのプラットフォームは、FSC認証取得者の欧州連合森林破壊防止規則(EUDR)などの法令への準拠を支援するよう設計されています。FSCトレースをFSC EUDR対応モジュールなどのツールと併用すれば、検証プロセスを向上し、データを充実させ、サプライチェーン全体でFSC表示を繋ぐことができます。これにより、規制への準拠に役立つだけでなく、持続可能で責任ある企業行動もサポートします。
供給者の検証
FSCトレースでは取引中に供給者の認証状況を瞬時で検証することができるため、原材料を確実に認証済みEUDR準拠供給源から調達できます。
包括的なデータ収集
FSCトレースは、FSC認証製品で使われている原材料について、原産地の地理的情報、伐採時期、樹種、製品グループなど、重要な詳細情報を記録します。
合法性文書の伝達
FSCトレースでは、コンセッション(伐採権所有地)契約書、伐採許可、輸出許可書など、製品が合法的に調達されたことを証明するために必要な書類を添付できるようになっています。書類は関連製品に直接紐付けられるため、ユーザー自身やサプライチェーン川下の取引相手が必要に応じて確認することができます。
トレーサビリティの検証
ブロックチェーンは、取引製品に関して検証可能な情報を提供し、EUDRが規定する通り、製品を供給源の森林*や伐採地点まで遡って追跡します。
使いやすさ向上のため継続的に開発
FSCでは、ベータ段階にとどまらず真摯にイノベーションに取り組んでいます。FSCトレースは、2025年を通して定期的に更新リリースを行い、ユーザーインターフェイスの改善や新機能の導入を進めます。追加機能は体系的に組み込まれ、FSCライセンス取得者にさらなる付加価値を提供するとともに、新しい規制要求事項との緊密な整合性を徹底します。
こうした継続的な取り組みにより、認証や規制遵守に伴う管理上の負担は大幅に軽減され、FSCトレースは、合理的かつ効率的にサプライチェーンを管理するための貴重なツールとなります。