ビジョンとミッション

FSCは、将来世代の権利や需要を損なうことなく現在の世代の社会的、環境的、経済的な権利や需要を満たすことをビジョン(理念)とし、環境保全の点から見ても適切で、社会的な利益にかない、経済的にも継続可能な森林管理を世界に広めることをミッション(使命)としています。

この「環境」、「社会」、「経済」のバランスはFSCの三本の柱でもあり、大きな特徴になっています。

Vision and Mission

ForestStewardship Council (森林管理協議会)のStewardshipは、一般的に管理を意味するマネージメント(Management)とは違います。Stewardには執事や給仕という意味がありますが、Stewardshipとは、所有者や支配者としてトップダウンで管理するのではなく、資源を預かるものとして責任をもって管理し、それにより仕える、奉仕するという意味が含まれます。ここには、我々人間は森林や自然の支配者ではなく、自然に仕え、その資源を預かり管理するものであるという哲学が表れています。

原則と基準

ミッションとビジョンの実現のため、FSCは10の原則と70の基準を定め、「責任ある森林管理」をされた森林の認証を促進しています。以下がその責任ある森林管理の原則となります。(FSC-STD-01-001 第5版)

  • 原則1: 法律の順守(法律や国際的な取り決めを守っている)
  • 原則2: 労働者の権利と労働環境(労働者の権利や安全が守られている)
  • 原則3: 先住民族の権利(先住民族の権利を尊重している)
  • 原則4: 地域社会との関係(地域社会の権利を守り、地域社会と良好な関係を保っている)
  • 原則5: 森林のもたらす便益(森林のもたらす多様な恵みを大切に活かして使っている)
  • 原則6: 森林の多面的機能と環境への影響(環境を守り、悪影響を抑えている)
  • 原則7: 管理計画(森林管理を適切に計画している)
  • 原則8: モニタリングと評価(管理計画の実施状況を定期的にチェックしている)
  • 原則9: 高い保護価値(HCV)(保護すべき価値のある森などを守っている)
  • 原則10: 管理活動の実施(管理活動を適切に実施している)

この原則の下には70もの基準があり、この基準レベルでの不順守があれば認証は認められません。更に、基準の下に各国の状況を考慮した約200~300もの指標があり、これが森林管理認証審査でのチェック項目になっています。