あなたは、FSCラベル付きの最終製品をFSC認証取得者から購入して、小売店へ販売する非認証取得企業ですか?

そうであれば今回FSCが開始した新たなパイロットテストが関係しているかもしれません。

今回のパイロットテストでは、特定の条件の下で、プロモーションライセンス取得者が2社連続する商流を可能とすることで、これまでよりもFSCラベル付きの最終製品を小売店やブランドオーナーが宣伝しやすくすることを目的としています。テストでは、このことによってFSCラベル付き製品の宣伝がより増えるのかを確認すると同時に、FSC制度の信頼性・完全性への悪影響がないかを確認します。

FSCの戦略的な目標の一つは、消費者が普段の買い物を通じて責任ある行動をとるためのガイドとなることです。一方で現在のプロモーションライセンスのルールによって、FSC認証製品であることが十分に宣伝できていない状況も存在しています。

FSCはどのような課題を解決しようとしているの?

FSC制度の基本的な考え方は、製品がFSC認証製品であるとしてFSCラベルを付けられるためには、製品が完成するまでのサプライチェーン上のすべての組織がFSC認証を取得している必要があるというものです。

またサプライチェーンの末端に位置しており、FSCラベル付きの最終製品を販売する組織はFSCプロモーションライセンスを取得することで、対象製品をFSC認証製品であると宣伝できます。そしてプロモーションライセンスの取得のための条件には、対象製品にFSCラベルがつけられていることと、FSC認証取得供給者から直接対象製品を購入することというものがあります。

このうち、認証取得者から直接購入しなければいけないという条件は、これまでも対象製品をFSC認証製品であると宣伝するためのハードルとなることが度々ありました。特にファッション業界ではこの課題が顕著にみられています。ファッション業界では多くの場合、FSC認証取得企業から認証製品を購入するのがブランドオーナーであり、さらにそこから認証製品は小売店に再度販売されてオンラインや実店舗を通じて消費者に販売されます。

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この場合ブランドオーナーがプロモーションライセンスを取得することは可能です。しかし、その場合は小売店はFSC認証製品としてオンラインまたは実店舗で宣伝をすることができません。現在は小売店がFSC認証製品として宣伝するためにはブランドオーナーが例えFSCラベル付きの最終製品を購入しているとしても、例えブランドロゴやブランド名称が伴った製品だとしても、FSC CoC認証を持っている必要があります。

今回のパイロットテストでは、このようなケースでブランドオーナーがFSC CoC認証ではなく、プロモーションライセンスを取得することで、小売店もプロモーションライセンスの下で対象製品をFSC認証製品であると宣伝ができるようにする方法を試します。

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今回のパイロットテストは、まずファッション業界を対象としていますが、その他の業界からの参加希望企業も歓迎します。

本件に関心のある方やパイロットテスト参加要件を確認したい方はこちらの元記事をご覧ください。