立命館アジア太平洋大学グリーンコモンズ内観

立命館アジア太平洋大学(大分県別府市、学長:出口治明、APU)は、2023年4月に「サステイナビリティ観光学部」を新設し、アジア太平洋学部、国際経営学部とあわせて3学部のトライアングルとなりました。これを“第2の開学”と位置づけ、新しい教学棟「グリーンコモンズ」と新しい国際教育寮「APハウス5」を建設し、「グリーンコモンズ」がFSCプロジェクト認証を受けました。

 この教学棟は、建物中央部分に大分県産杉材を活用した国内大学初となる3階建て大規模木造吹き抜けコモンズとなっており、持続可能性が追求された設計となっています。木材は、鉄骨やコンクリートに比べてCO2排出が少ないクリーンな素材であることから、CO2削減に貢献し、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みの実践であり、持続可能な社会を実現する人材育成という新学部の理念を体現するものでもあります。燃えしろ設計を定めた建築基準法改正により、従来不可能とされた木現し(もくあらわし)の木造3階建ての学校を実現することで、木材利用の可能性を拡げました。

 原材料の木材の調達に当たっては、地元・大分県と「木造の利用促進と教育に関する協定」を結び、中央の木造建築部分に構造材から内装にいたるまでほぼ大分県産のスギ材が使用されています。使用された木材の量は約500m3。国内の大学の施設としては最大級の木材使用量です。このうちFSC認証対象となっているのは17本の柱と60か所の什器で、2021年11月に締結した九州電力大分支店と大学との連携協定に基づき、FSC認証を受けた九州電力社有林からの木材が使われました。このほかにも、再生エネルギーを利用した設計など、建物の随所に持続可能性への様々な工夫が施されています。

 3月28日には竣工式が行われ、設計施工を行った株式会社竹中工務店、コンストラクションマネジメントを担当した株式会社安井建築設計事務所等、多数の関係者が竣工を祝いました。