われわれ人間は自然界の資源を利用しなくては生きていけません。木材や紙類もその例外ではありません。木材や紙類の使用が森林破壊に直結すると単刀直入に思われる方もいるかも知れませんが、適切な森林管理を実施すれば木材・パルプ生産という経済活動とともに、森林保全および森林と関わる人々の人権配慮など社会面で大きく貢献することが可能となります。

その指針・規格を国際的な基準でかつ様々な関係者との対話を通じて提供するツールがFSC森林認証という国際認証制度です。さまざまな資源開発の領域からいち早くこうした国際認証のモデルを提示してきたのがFSC認証です。

FSC認証制度に直接関わる仕事を通じて、世界の森林保全や生物多様性保全、森林に関わる人々への社会面などに大きく貢献していきましょう。われわれはいまそれをリードしていく人材を募集しております。

求める人材像

FSCの理念に共感し、

  • 日本を含めた世界の森林保全や森林生態系、森林に強く依拠してきた人々の人権や社会的問題等に強い関心があり、それらが直面する課題に取り組みたい意欲をお持ちの方
  • 世界の森林の責任ある管理を通じた森林産物の持続的利用が可能となる社会を作っていきたいと考えている方
  • そうしたことへの情報収集や情報提供に対して強い意向のある方
  • 国内の林業者、企業、自治体、行政、NGOなどと積極的にコミュニケーションを取っていきたい方

など、FSCの信頼性と価値を高めることに尽力できる方を募集します。このたびは、【森林分野】【サステイナビリティ分野】(詳細は下記参照)で各1名ずつ、求めております。

FSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)について

FSCは、世界のさまざまな森林問題を解決するために、1994年に設立されました。1980年代、欧米では熱帯産の木材が環境破壊や人権侵害に繋がっているということで、熱帯材の不買運動が起こっていました。しかし、不買運動では、適切に森林管理を行っている生産者の木材も区別なく不買につながり、木材が売れなくなった林業者が森林を伐採し、農地に転換してしまうなど、結果的に森林破壊を止めることはできませんでした。 そこで、適切に管理された森林からの木材を区別して購入できる認証制度の必要性が検討され、26カ国の環境NGO・林業者・林産物取引企業・先住民団体などが中心となって設立されたのがFSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)です。

NPO法人日本森林管理協議会(FSCジャパン)は、この国際的な森林認証組織FSC(国際本部ドイツ・ボン)から正式に承認を受けた日本を代表する組織です。私たちは、FSC森林認証の理念や認証林を日本に広め、FSC認証製品が日本の消費者に届く、そんな社会の確立を目指すために、イベント、キャンペーンやセミナーの開催など日本国内でFSC認証制度のプロモーション活動や、各種チャンネルを通じた行政機関などへのロビー活動・政策提言、そして、規格・指針改定情報の発信など日本の認証取得者の支援を積極的に行っています。

実際FSCは、世界で1.6haの認証林グローバル小売企業の58%がプロモーションライセンスを取得、63,000件以上の認証取得者、46%の認知度など世界の森林保全をリードしています。

職務内容

  • 勤務形態:契約職員(初めの3ヶ月の研修期間勤務ののち評価を経て正職員採用)
  • 業務内容:今回の募集では、以下の【森林分野】【サステイナビリティ分野】をご担当いただきながら、即戦力として業務に従事していただける方、あるいはアシスタントから始めていただける方を求めています。いずれの分野においても、各分野の基礎的な研修を受けていただけます。

【森林分野】

即戦力として業務に従事していただける方を求めています。

  • FSC認証制度支援(FSC認証の指針・規格関連の専門的な内容に関する業務や企業等からの問合せ対応、行政への政策提言など
  • 森林訪問、その地域の情報収集
  • 林業者、木材事業者等ステークホルダーとのコミュニケーション
  • その他以下のサステナビリティ分野の業務も必要に応じてサポート

【サステイナビリティ分野】

FSC認証制度を支える基本業務としてFSC商標管理を担っていただきながら、本人の希望や適性、必要に応じて、その他業務に即戦力としてあるいはアシスタントから始めていただける方を求めています。

  • FSC商標管理(ライセンスの契約業務、請求業務、マニュアル作成、企業からの問い合わせ対応、FSC商標を使用した広告宣伝の承認作業など)
  • 広報全般(FSCグローバル発信ニュースの翻訳・配信、FSCジャパン発信のプレスリリースニュースの作成・配信、メディアクリップ、各種情報収集、SNS投稿、メディア対応、ウェブサイトの管理等)
  • 普及啓発業務やB to Bマーケティング活動(講演会、イベントワークショップの企画・実施・運営等)
  • 森林産物の市場における新規市場開拓/新規マーケット開発(天然ゴム、ファッション等)
  • 企業、NGO、自治体とのコミュニケーション
  • 総務関係(経理、会員制度など)のサポート

【各分野での共通業務】

FSC本部(ドイツ)やアジア地域事務所(香港)、その他各国オフィス等との連携(国際会議への参加、グローバルキャンペーンの実施、メールミーティングでのやり取り、翻訳作業など)ほか、実際の森林のフィールド訪問の機会も多々あり。

募集条件等

  • 業務対象国/勤務地:東京都、国内外出張あり。状況に応じてリモートワークも可能。※ただし、首都圏あるいはその近郊に在住し、都内の弊会事務所に出勤可能なこと。会議やイベント対応のため、深夜・休日出勤が発生した場合に対応できること。国内外の出張に柔軟に対応できること。
  • 業務期間:2026年1月~(採用日はご相談に応じます)はじめの3ヶ月間は契約職員として「研修&試用期間」とします
  • 募集人数:各分野1名ずつ ※50歳位まで(長期勤続によるキャリア形成をはかるため。例外事由3号イ)、性別不問
  • 募集期間:2025年9月1日~2025年11月30日

必要な技能・経験等

  • 大学卒業以上の学歴
  • 様々なステークホルダーとのスムーズで丁寧・繊細なコミュニケーション能力
  • 情報提供を実施するに当たっての必要な日本語の文章力
  • Microsoft Word、Excel、Power Pointを使用した資料の作成やホームページ・SNSなどを通じた発信ができること
  • FSC各国オフィス等とのやりとりや翻訳、国際会議参加が円滑にできる英語力
  • 業務に紐づく庶務、経理作業など、地道な作業にも対応できること

歓迎するスキルや経験例

  • 林業、製材業、製紙業、印刷業、家具・建築業等木材・紙ほか森林産物の分野における経験(特に森林分野を希望する場合)
  • 日本の森林や森林認証制度、林産物産業に関連する知識や経験(特に森林分野を希望する場合)
  • 環境や森林問題、サステナビリティに関連した活動経験や業務実績
  • 非営利団体における勤務経験、または営利企業のみの職歴であればボランティアや役員として非営利団体に貢献した実績
  • 企業などでの営業や総務・経理経験
  • ファンドレイジングや市場開拓の経験

待遇

  • 雇用形態:研修者として契約職員(問題なければ研修後正職員登用)
  • 契約(研修)期間:3か月
  • 労働時間:所定労働時間7.5時間日、休憩時間1時間日、フレックスタイム制度
  • 勤務地:東京都内事務所(新宿)またはリモートワーク(ICT活用による在宅勤務)
  • 給与:当法人規程により決定、正式登用後は昇給あり ※給与例:契約職員時は年齢層に応じ月収25〜40万円程度月、正式登用後は年齢・経験に応じ月収30〜50万円程度
  • 完全週休2日制、有給休暇(初年度10日。入職日から取得可)、産前産後休業、育児・介護休暇、特別休暇(慶弔など)、夏季特別休暇あり。
  • 交通費支給(居住地から事務局まで片道最大2,000円程度)、出張手当あり
  • 社会保険完備
  • 評価制度導入予定
  • 賞与、退職金、住居手当なし
  • 定年は満65歳とする

期待されるキャリアパス&スキルアップ

  • 森林保全という地球規模の問題へのアプローチ
  • 森林林業現場での経験
  • 持続可能な社会へのアプローチ
  • 多様なステークホルダーとのコミュニケーション力
  • 講演・セミナー・展示・HP・SNSなどを通じた効果的な発信力
  • 読み書き・会話などの英語実践力を通じた国際感覚
  • NPOとしての運営・管理に関わる業務
  • 上記をも含む総合的な課題解決能力

応募方法

応募書類

  • 履歴書(顔写真貼付)、職務経歴書(職務経験がある場合):いずれも書式自由で日本語

  • 課題作文:「なぜ森林保全を重要と考えるか、また私ならFSC®の意義をこのように伝えていきたい」という題目について、ご自身の経験や体験を踏まえた志望動機や自己PRを含め1,600字(A4一頁)程度の日本語で書いていただいた上、同様の内容のものを英語で記してください。

応募時の注意事項

  • 【森林分野】【サステイナビリティ分野】どちらの分野を希望するか、履歴書に記載してください。
  • 応募はemailで受け付けます。
  • 応募先/問い合せ先:FSCジャパン採用担当宛 t.nishihara@jp.fsc.org
  • 応募締切:2025年11月30日まで(書類選考で適任者決定次第終了)
  • 面接&内定通知:2025年12月中