
国際的な森林認証制度FSC(Forest Stewardship Council®)の普及啓発を行うFSCジャパンFSCジャパン(特定非営利活動法人 日本森林管理協議会、代表:太田猛彦)は、SGEC/PEFCジャパン(一般社団法人 緑の循環認証会議)と共同で、9月30日、林野庁計画課に対し「森林・林業基本計画への要望書」を提出しました。
我が国の森林は、国産材の供給拡大や林業産出額の増加といった前進がある一方で、再造林の停滞など持続可能性への課題を抱えており、真に循環的かつ健全な森林・林業・木材産業への転換が求められています。
森林・林業基本計画は、森林・林業基本法に基づき我が国の森林・林業施策の基本的な方針等を定めるものであり、森林・林業をめぐる情勢の変化等を踏まえ、おおむね5年ごとに変更が行われます。


要望の主なポイント
今回の要望書の提出は、次期の森林・林業基本計画策定への議論の開始に合わせ、以下の「森林認証制度」の特徴を踏まえ、「森林認証制度」の適切な位置づけを計画に盛り込むことを提案し、今後更なる利用を呼び掛けるものです。
「森林認証制度」の特徴
- 生物多様性保全への貢献
- 森林・林業・木材産業の持続的かつ健全な発展への貢献
- 林業・木材産業における労働安全の確保
- 国産木材の持続可能性と国際競争力の向上
- 輸入木材の持続可能性の担保
森林認証は、木材をはじめとする林産物の利用を通じて森林環境や資源の持続可能性を確保する有効な仕組みであり、適切な森林管理の指標としても国際的な信頼を集めています。森林認証の更なる普及は、将来における我が国の森林資源の循環的利用のみならず、SDGs、ネイチャーポジティブ、ネット・ゼロの実現等の地球的規模の枠組みにも寄与することが期待されています。
FSCジャパン代表のコメント
FSCジャパン代表太田猛彦は次のように語っています。
「森林認証は環境・社会・経済が両立された、適切な森林管理を推進するわかりやすい方法であり、世界中の消費者に認められている制度です。認証材の需要を高め、第三者により世界水準でチェックされる森林管理が広まることにより、森林の多面的機能の強化や林業の活性化も期待できます。国連のSDGsの指標にも利用されている森林認証を是非もっとご活用いただきたい。」
FSCジャパンは、森林認証制度のさらなる普及と活用を通じて、森林の持続可能な利用と地球規模の課題解決に貢献してまいります。