現在、日本国内のFSC森林管理(FM)認証で使用されている国内規格FSC-STD-JPN-01.1-2020は、2020年7月に承認され、2020年12月1日に発効されたものです。FSCではどの規格も5年に1度見直すこととなっており、FSCジャパンでも2025年までの国内規格改定を考えておりましたが、それは難しいことになりました。

国内規格の改定プロセスは規格FSC-STD-60-006で規定されており、まず環境・社会・経済のバランスの取れた規格策定グループを組織し、本部にそのグループの登録も含めた改定プロセスを申請し、承認を得てから進める必要があります。しかし、現在FSCの規格策定/改定を管理するFSC国際事務局のパフォーマンス・規格部では、欧州森林破壊防止規則(EUDR)に適合するための各種規格・システム変更が最優先となっており、日本においてもEUDRに適合するためのナショナルリスクアセスメント策定が先に行われる予定です。また、各国の森林管理規格についても、まだ原則と基準第5版に基づく国内規格をもたない国における新規規格の策定を優先することが決定されており、日本を含む、既に原則と基準第5版に基づく国内規格をもつ国における規格改定プロセスについては、2026年までプロポーザルを受理しないことが発表されています。

これにより当面の間、日本においては国内森林管理規格改定のプロセスは始められないこととなりました。FSCジャパンでは2026年から規格改定が迅速に進められるよう、2025年は準備期間とし、これまでの規格の評価・分析、ステークホルダーの特定、変更すべき点についてのコンサルテーションなどに注力する予定です。