この度FSCは、ベラルーシに対して更なる措置を行います。ASIによるベラルーシにおける認証機関の認定を取消すという決定を受け、FSCはベラルーシのすべての認証を取消します。

ASIは調査の結果として、FSC認証審査に関わる人々の安全と生活に許容できないリスクが発生するため、FSCの中核的労働要求事項に基づく社会面の要求事項への適合に関して信用できる評価を行うことが難しいと判断しました。

ILOの中核的労働基準の中でベラルーシにおける一番の懸念は結社の自由と団体交渉権の尊重、そして雇用と職場における差別の撤廃です。

FSCは、更にベラルーシにおけるFSCのプレゼンスを維持しないことも決定し、そのためFM国内規格の策定グループの運営も停止します。現状FSCには、FSCを推進するために様々な利害関係者を同じ議論の場に集めることが難しくなっています。FSCは、環境・社会・経済分野の利害関係者が集まることによって運営され、これがFSCの機能の根幹をなすことですべての人々の声を聞くという原則が成り立っています。

現在残されている最後の独立した環境NGOであるBirdlife Belarus (APB)が破産しようとしており、FSC規格作為低グループの主要メンバーであるVictor Fenchukが逮捕され、裁判を待つ間に6か月収監されるという状態の中で、利害関係者の多様性を確保することができなくなりました。

ベラルーシにおけるFSCの活動は、ベラルーシでのFSCの基本的な価値が機能している十分な根拠が示されるまでは停止されます。つまり認証機関が厳格な審査を行い、ASIがそれを監督できるだけの情勢が整う必要があります。このような環境が整い、審査員は初めてFSC要求事項への適合を検証することができます。FSCは、常に規格と検証、そして利害バランスが保たれた第三者認証制度であることを重要視しています。

FSCは、ベラルーシの森林と人々をあきらめてはいません。ベラルーシのFSC会員が現在海外にいる状況においても責任ある森林管理の原則を普及させるための対話を続けます。またベラルーシの教育機関とも連携をして持続可能な森林管理のための法令整備や高い保護価値の保全を継続します。

今回の決定の根拠となっているのは、2022年3月8日に公開された改定版のベラルーシ管理木材リスクアセスメントおよび認証機関向けのアドバイスノートです。FSC認証の停止という決定はこの文書の公開から30日で発効します。

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