世界の人々のおよそ80%が健康管理のための主なニーズを植物から作られた薬に頼っています。また新薬の多くも自然由来の原材料に頼っています。例えば1940年代以降に発表された抗がん剤の半分は自然物またはその誘導体です。
こちらの研究では、新薬発見の成功率は、原材料が自然由来である場合、そして新薬の候補が先住民族の知識に基づく場合に高いことが示されています。世界の現代医療で使用される薬の25%は熱帯雨林に生育する植物に由来しており、これらの多くは先住民族の伝統的知識がなくては知り得なかったものです。以下にいくつかの具体例を示します:
- キニーネ:キナの木の皮から抽出されるマラリア治療薬。アンデスのケチュア族によって長い間伝統的な薬として使用されてきました。
- フィゾスチグミン:カラバルマメから抽出される緑内障治療薬。アフリカの熱帯林で先住民族によって使用されていた。
- コルチゾン:南米の熱帯雨林に自生する山芋から作られる経口避妊薬。ネイティブアメリカンによって伝統的な薬として使用されてきた。
- ツボクラリン:アマゾンの熱帯林に生育するクラーレという植物のつるから得られ、手術の際に使用される筋弛緩薬。先住民族によって毒矢を作るために使用されていた。
- ビンクリスチンとビンブラスチン:ニチニチソウから抽出される小児白血病とホジキン病の治療薬。マダガスカルの熱帯雨林でヒーラーによって伝統的に使用されてきた。
- Calanolide A:マレーシアのサラワクの熱帯雨林でまれに見つかる樹木から抽出される抗HIV薬。
- Calanolide B:もう一つの抗HIV薬。
地域で手に入る薬用植物を利用することは先住民族の文化の一つと言えます。しかし森林劣化、文化変容や都市への移住によって若い世代ではこれらの伝統的な知識が失われています。興味深いことに、FSC認証林ではこれらの先住民族の伝統的知識を残す取り組みがされています。これは将来的な新薬発見の機会を増やす重要な取り組みです。
森林認証は、種や生息・生育域、そして文化の保全にとって、多くの場合、法的な規制と同等か、より効果的であることが示されています。これは市場のプレッシャーが政府よりも強いことを示しています。FSC森林認証は、先住民族の権利、資源、そして伝統的知識を守るために役立ちます。
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