2022年にFSCとASIは、PT RMTKに対して抜き打ち監査を実施し、重大な不適合を発見しました。PT RMTKの認証は認証機関によって一時停止され、その結果を受けてPT RMTKは、自身の認証を返上し、また同時にHaritaグループの企業グループの一員であるPT Kemakmuran Berkah Timber (以降PT KBT)に対する苦情に対応するためにFSCと行っていた調停手続きを停止しました。PT KBTおよびPT RMTKは、Haritaグループと同じ受益所有者をもち、PT RMTKは2022年末までFSC認証を有していたことから、同社の森林管理活動は「組織とFSCとの関係に関する指針」の対象となっていました。

FSCは、2020年にForest People’s Programme(FPP)から提出された苦情への対応として、PT RMTKおよびPT KBTとFPPの間での調停手続きの初期段階を開始していました。FPPは、この苦情をインドネシアのLong Isunにいる先住民族であるDayak Bahau Busang族に代わって提出しています。苦情の内容は、PT KBTが「組織とFSCとの関係に関する指針」に定められている許容できない活動に関わっているというものです。具体的には「林業または林産物産業における慣習的な権利または人権の侵害」と「森林または高い保護価値(HCV)をもつ地域における高い保護価値(HCV)の破壊」について指摘がされています。

今後FSCは、FPPによって指摘がされている苦情に対処するための別の方法を模索していきます。Haritaグループまたはその関連企業はこれらの問題が完全に対応されるまではFSC制度に戻ることが出来ません。

組織とFSCとの関係に関する指針は、FSCと関係を持つ個人及び組織が共有している価値の表現です。指針には、FSCと関係を持つ個人及び組織、そしてその企業集団が、認証業務及び非認証業務の両方において避けることを誓約する6つの許容できない活動が定められています。同指針はFSCブランドの評判と信頼性を守るためのFSCによるリスク管理ツールです。

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