背景
FSCは環境と開発に関するリオサミットの翌年の1993年に発足しました。リオサミットでは国連による生物多様性保全条約、砂漠化対処条約、気候変動枠組条約が新たに合意されました。一方で林業における法的拘束力のある国連条約の合意がされなかったことから、多くの利害関係者が自ら行動をすることを決意し、その結果、社会、環境、経済の3つの分会による意思決定の仕組みをとる、FSCが誕生しました。

世界の自然林、特に熱帯林の消失に対する懸念から、1999年にはFSCの原則と基準(第4版)に基準10.9が追加されました。この基準では1994年以降に大規模な自然林から人工林に転換された森林管理区画をFSC認証対象外とすることを規定しました。現在でもこのルールは健在であり、転換された人工林がどれだけ素晴らしい管理をされていようと、この森林管理区画を認証が認証されることはありません。

基準10.9はFSCの原則と基準の中で唯一過去に遡って効力を持つものであり、その特異性は年を追うごとに目立つようになっています。またこの基準はISOの継続的な改善のアプローチに合わないものです。2014年FSC総会の動議12番(元々は2011年総会での動議18番)が可決され、FSC会員がこのルールについて新たな可能性を模索したいと考えていることが明らかになりました。

ワーキンググループの結成
2014年総会直後、動議12番のためのワーキンググループ(作業部会)の委託事項がFSC本部の指針・規格課(PSU)により作成され、FSC指針・規格委員会およびFSC国際理事に承認されました。これに基づき、ワーキンググループメンバーが募集され、2015年5月にはメンバーが決定しました。
テクニカルワーキンググループ(専門作業部会)は3名の専門家、起草者、進行役、調整役の合計6名のメンバーから成ります。

ボンでのワーキンググループの会合
テクニカルワーキンググループは2015年9月に第1回目の会合をボンで開催しました。最初の2日間は、FSCの森林転換ルールの内容や経緯の共通理解を深め、起草者が事前に用意をした説明文書を読むことに費やされました。

動議番号12番で示されている3つの課題は、FSCの森林転換に対する幅広いアプローチの一部でしかないことは事前の電話会議ですでに明らかになっていました。会合のはじめの2日間に、いくつか他にも重要な課題が特定されました。

3日目までに、FSC認証における「転換」の定義を作るために暫定サブグループが形成され、4日目にはここで作成された定義がテクニカルワーキンググループにより承認されました。しかし、転換方針に含めるべく植生タイプについてはまだ明確化の必要があります。

その他に話し合ったトピックには、転換に対する補償、復元、受益者、過去および将来の転換、オンサイトVSオフサイト施業、最低限の転換などがあります。

意見の述べ方
FSC会員で森林転換ルールについてご意見をお持ちの方は、直接以下のワーキンググループメンバーにご連絡ください。

社会分会
Aisyah Sileuw インドネシア aisyah.sileuw@daemeter.org
Alvaro Cabrera Paredes エクアドル alvarosam@gmail.com

経済分会
Lineu Siqueira ブラジル ljsiqueira@uol.com.br
Stuart Valintine ジンバブエ svalintine@zol.co.zw

環境分会
Aditya Bayunanda インドネシア abayunanda@wwf.or.id
John Palmer カナダ jrpalmer2005@waitrose.com

諮問フォーラムへの参加を希望される方はワーキンググループの調整役であるPasi Miettinen (p.miettinen@fsc.org)にメールをお送りください。

元の記事(英語):https://ic.fsc.org/newsroom.9.1261.htm