持続可能な林業は女性抜きでは成り立ちません。2021年の国際女性デーを迎えるにあたり、私たちはこの点をあらためて強調したいと思います。女性は責任ある森林管理に不可欠です。SDGs目標5の「ジェンダー平等を実現しよう」は持続可能な林業の前提であり、森林における民主的なガバナンスの拡大がよりよい環境的な成果をもたらします。以下にいくつかの理由を示します:
- 文化的な伝統や社会経済的な違いによって、森林の利用方法は性別によって異なる場合があります。
- 女性は生活のために林産物を収集することが多い一方で、男性は林産物に商業的な価値を求めることが多く、この結果森林が劣化すると、女性に対する悪影響の方が大きい傾向があります。
- 林業や非木材林産物に関して女性の特定のニーズを見落とすことは、HCV(高い保護価値)を見落とすことにつながり、生態系サービスの利用機会損失につながります。
- 多様な森林の活用によって、天然資源に関する多様の知識を得ることができます。
別々に行動する限り、私たちの森林に関する知識は不完全のままです。女性と男性のそれぞれの経験を一緒にすることで、林業をより豊かにすることができます。
世界各地で、女性は林業においても様々な課題に直面しています。不利な状況は国ごとに異なりますが、FSC規格では林業サプライチェーン全体において何百万人といる女性労働者のための基本的なセーフティーネットを定めています。国に寄らず、FSC認証取得企業は、男女平等を推進し、雇用と職業における差別の撤廃を保証することが求められます。
FSCでは、最近CoC規格にILOの中核的労働基準に基づくFSCの中核的労働要求事項を導入することで、男女平等に関するコミットメントを強化しました。国際建設林業労働組合連盟(BWI)との対話において、FSC理事会の議長であるRulita WijayaningdyahがBWIの事務局長であるAmbet Yuson氏に、CoC規格にこれらの要求事項を導入する重要性について話しました。「これらの規格が適用される認証取得企業は、今後ILOの中核的労働基準に示されている結社の自由と団体交渉権、児童労働の廃止、強制労働の廃止、そして雇用と職業における差別の撤廃といった労働者の権利を尊重することが求められます。」
FSCでは、FSC国際事務局、外部スタッフやネットワークパートナーなどのFSC組織の男女平等に向けた努力も続けています。FSC組織における男女バランスは良好であり、やや女性が多い状況です。また国際理事会の男女バランスもとれており、これはFSCの意思決定の場において女性を代表した意見が確実に届くことを保証しています。
事務局長のKim Carstensenは次のように述べています。「私たちは、まだまだ改善する余地があることは認識しており、林業における女性の役割を推し進めることを約束します。Forests For All Foreverの実現のためには女性が必要です。FSCは女性の意見が聞き入れられ、女性が守られ、尊重されるように努力していきます。私たちはすべての人々にとって平等で持続可能な未来の基礎を作っていきます。」
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