今回の改定版FSC手順文書の承認は、FSC管理木材制度改定において重要なマイルストーンです。これにより管理木材を調達するためのリスク評価方法が著しく強化、向上されます。今回承認された文書は、一連の管理木材制度改定における最初の改定文書であり、2015年には他の2つの管理木材規格の改定が予定されています(FSC-STD-40-005およびFSC-STD-30-010)。今回改定された文書についてFSC理事は迅速に発効させることを決定したため、これらの文書は通常のFSC手順で求められる猶予期間よりも短い期間で発効します。つまりNRAの作成をこれ以上遅らせることはできないということです。
今回承認された文書は以下の通りです:
• FSC-PRO-60-002 V3-0 FSCナショナルリスクアセスメントの作成と承認
この手順文書ではNRAを作成、維持、見直しおよびそれらのFSCによる承認のための方法が規定されています。FSC理事はNRA作成におけるFSCネットワークパートナーの強い関与が必要であることを強調しています。
• FSC-PRO-60-002a V1-0 FSCナショナルリスクアセスメントの枠組み
この手順文書の附則では管理木材の要求事項に従い、使用できない原材料を調達するリスクの水準を特定、指定するための要求事項が示されています。これは現在認証取得者自身が実施しているリスク評価の要求事項に置き換わります。また今回承認された文書ではパブリックコンサルテーションの際に含まれていた2つのセクションが含まれていません。これらのセクションはリスク低減措置において最低限求められる結果を規定していたものですが、これらについては更なるフィールドテストを経てその実施可能性や影響を確認した上で2015年に追加される予定です。その際には文書の元の意図は変わらないように配慮されます。
これらの文書はこちらのページからダウンロードできます。
これらの文書が作成されたいきさつ
2011年のFSC総会での動議番号51「管理木材制度の強化」の可決を受けて、管理木材制度の改定作業が同年に開始されました。動議では管理木材の調達において、従来の認証取得者によるリスク評価を廃止し、FSCにより承認されたNRAによって置き換えること、また管理木材調達のためのCoC規格の改定が求められていました。改定作業が始まると、作業を進めていた関係者からリスク評価のための要求事項そのものの強化の必要性が指摘され、今回の手順文書の改定が始まりました。
これらの文書の草案は2013年7月から9月にかけて、また2014年5月から8月にかけて2度の国際的なパブリックコンサルテーションを受けました。これらのコンサルテーションにおけるフィードバックを受けて、管理木材技術委員会が要求事項を最終版とすべく作業にあたりました。管理木材技術委員会とは環境・社会・経済すべてのグループの代表および技術アドバイザーから構成されている委員会です。2度目のパブリックコンサルテーションにおいて寄せられたフィードバックと主な課題への回答のまとめはこちらのページからダウンロードできます。
管理木材制度の改定は続きます。2015年3月のFSC理事会で2つの規格(FSC-STD-40-005およびFSC-STD-30-010)が承認のために提出される見込みです。フィールドテストが完了次第、そのフィードバックも含まれる予定です。
関連記事:
-管理木材(英文)
-管理木材システムの改定(英文)
-改定管理木材システム規範文書についての第二回利害関係者コンサルテーション(コンサルテーション期間は既に終了しました)(英文)
元の記事(英文):
https://ic.fsc.org/technical-updates.325.988.htm
