FSCリスクアセスメントは「FSC®管理木材調達のための要求事項(FSC-STD-40-005第3-0版)」に基づいて、管理木材の調達を希望する認証取得者が参照するもので、各国で策定されるナショナルリスクアセスメント(NRA)とFSC本部主導で行われるセントラライズド・ナショナルリスクアセスメント(CNRA)の総称です。 

以下に現状をまとめました:

FSC-STD-40-005第3-0版について:
この規格は長い改定作業を経て、2015年12月に公開されました。現在、日本語参考訳をFSCジャパンで作成中です。完成次第、本ウェブサイトにてお知らせいたします。
この規格の中で、認証取得者が参照すべきリスクアセスメントの序列が次のように示されています:
1.  FSC-PRO-60-002 第3-0版(最新版)に従って策定されたNRA(現状、日本ではまだ未策定)
2.  5つの管理木材カテゴリーすべての評価が完了したCNRA(現状、日本ではカテゴリー1、2、5のみ完了)
3.  FSC-PRO-60-002 第2-0版(旧版)に従って策定されたNRA(現在の日本のNRAはこちらです)
4. 認証取得者自身で実施するリスクアセスメント(詳細は規格本文を参照して下さい)

つまり、この度CNRAのカテゴリー1、2、5が承認されましたが、CNRA自体は5つのカテゴリーすべてが承認されて初めて使用できますので、現時点では日本において国産材を管理木材として調達するためには上記3番のFSC-PRO-60-002第2-0版(旧版)に従って策定されたNRAを参照して下さい。 

FSC-STD-40-005第3-0版に従うと、CNRAのカテゴリー3と4の評価結果が承認され次第、6ヶ月の猶予期間内にその結果を自身の管理木材調達手順に反映する必要があります。また、その後FSC-PRO-60-002 第3-0版(最新版)に従って策定されたNRAが承認され次第、6ヶ月の猶予期間内にその結果を自身の管理木材調達手順に反映する必要があります。 

CNRAとFSC-PRO-60-002 第3-0版(最新版)に従って策定されたNRAの策定状況:
冒頭で紹介した通り、この度CNRAのカテゴリー1、2、5が承認されました。承認された文書はこちらのウェブサイトからダウンロードできます(英語原文)。また承認された文書から主要部分を抜粋、翻訳したものが下記からダウンロードできます。
CNRAカテゴリー3と4については、現在FSC本部が策定中です。問題がなければ2016年末までには承認される見込みです。
更に、管理木材ワーキンググループを結成している国では、ワーキンググループを中心にFSC-PRO-60-002 第3-0版(最新版)に従ってNRAが策定されます。日本においてもCNRA結果も参考にしつつNRAを用意し、2017年末までにはすべての5つのカテゴリーについての承認を目指しています。 

2017年12月末までにCNRAがすべてのカテゴリーで承認される予定の国については、こちらの表を御覧ください(英語のみ)。

FSCリスクアセスメントデータベース
各国のFSCリスクアセスメントの最新情報を常にご覧いただけるよう、FSCではFSCリスクアセスメント情報を集約したページを作成しました。英語のページですが、FSCリスクアセスメントの最新情報については、常にこのページをご参照下さい。 

元記事(英語)はこちら

FSC_newsentry_1454577793_file.pdf
PDF, サイズ: 637.15KB