従来の制度に則って調達している管理木材は2015年1月1日からどうなるのか:
Q1. FSC-STD-40-005 V2-1 Annex2、Annex3に従って調達している管理木材は、2014年12月31日までしか調達できないのでしょうか。
A1. 2014年中に受けた審査で正当性が認められ調達している管理木材については2015年の審査までは有効であると考えます。これはFSC-PRO-01-001セクション12に従い、新しい基準の発効日から1年間は段階的導入期間としているためです。2015年に受ける審査ではFSC-STD-40-005 V3-0に従って手順を構築し、認証機関にその運用の正当性を評価してもらう必要があります。
Q2. 企業により審査を受けるタイミングが異なるので、例えば2015年1月に審査を受ける企業は、新しい基準への対応の時間が短く不公平ではないでしょうか。2015年いっぱいは移行期間とし、2016年の審査から新しい基準へ対応すればよいのではないでしょうか。
A2. 対応のための時間が短いことは認識しています。しかしFSC理事の要望により今年中に現在の仕組を廃止し、2015年から新しい仕組に移行する必要があります。2014年10月中には新たしい基準が公開される見込みですので、一番早く審査を受ける企業でも少なくとも2ヶ月は準備期間があります。
Q3. 2014年末までに承認されたナショナルリスクアセスメント(NRA)は2015年1月1日から無効になるのでしょうか。
A3. いいえ。従来の制度で作成されたNRAにおいて低リスクと判断されているものは2017年12月31日まで有効です。未特定リスク(Unspecified risk)と判断されているものについては、新しい制度では未評価リスク(Unassessed risk)地域となります。またCNRAが作成されたカテゴリーではCNRAが優先します。
Q4. 認証機関としては、新しい基準の公開から基準の発効までに少なくとも3ヶ月は必要です。この間に手順の変更、トレーニング等を行います。そこで新たしい基準の公開日を2014年9月中にはできないでしょうか。
A4. 残念ながら現在のスケジュールでは9月に新しい基準が承認されることはありません。10月には承認のためにFSC理事へ提出できると考えています。
ナショナルリスクアセスメント(NRA)、CNRAの今後タイムスケジュールについて:
Q1. FSCでは2017年末までに必要な国のNRAを完成させると行っていますが、実現できるのでしょうか。NRA作成は非常に時間のかかる仕事であるため難しいのではないかと感じています。
A1. NRA作成は非常に複雑なプロセスであることは認識していますが、NRA作成はFSCの責任において必ず成し遂げたいと考えています。
Q2. CNRAに対する利害関係者の意見募集はあるのでしょうか。
A2. CNRA草案作成段階はFSC本部主導で行われ、作成されたCNRAはCNRA地図に載せられます。CNRA地図に対するパブリックコンサルテーションを2014年中に実施する予定です。
Q3. CNRA結果と、新しい基準に従って作成されるNRAの結果が異なった場合はどうなりますか。
A3. FSCによりケースバイケースで確認作業が行われ、より妥当だと思われる結果をCNRAとNRAの両方に反映することになります。
Q4. CNRA作成の優先国である20カ国以外の国について、FSCはCNRAを作成する予定があるのでしょうか。
A4. 優先国の20カ国でのCNRA作成作業が終わり次第、他の国でもCNRA作成したいと考えています。しかしできるかどうかはコンサルタントの余力次第となるでしょう。
Q5. ベトナム、タイ、韓国などはいくつかの認証取得者にとって非常に重要な管理木材調達源なのですが、これらの国を優先的にCNRA作成対象国にしてもらうことはできますか。
A5. FSCではNRA作成を重要なタスクだと考えており、できるタイミングで作成していきます。その際に、優先的に実施する国は世界的にみて重要である国となります。
特定リスク(Specified risk)に対するリスク低減措置について:
Q1. NRAでリスク低減措置が規定されていない場合のみ、認証取得者が自身でリスク低減措置を構築・実施すればよいのでしょうか。
A1. 基本的にはその通りです。ただしNRAにおいてリスク低減措置が規定されている場合、それは必ず従う必要のあるものと従うことが推奨されるものの2種類があります。また必ず従う必要のあるものであっても、状況にそぐわないと認証機関が判断した場合は、認証取得者が自身でリスク低減措置を構築できます。
Q2. リスク低減措置の有効性は誰が評価するのでしょうか。
A2. リスク低減措置は認証取得者が構築・実施し、有効性の確認をします。ただしNRAにおいてリスク低減措置が規定されている場合は、それに従うこともできます。また認証機関は年次監査の中で実施されている措置の有効性を評価します。
透明性の向上について:
Q1. 認証機関は何を公開用概要として作成する必要があるのでしょうか。
A1. 監査結果、利害関係者への意見徴収(パブリックコンサルテーション)結果、暫定リスクアセスメントをFSCデータベースで公開する必要があります。
Q2. 暫定リスクアセスメントはFSCデータベースで公開されるのでしょうか。
A2. はい。認証機関によりFSCデータベースにアップロードされます。詳細は現在意見募集中の改訂版認定基準に記載されています。
その他:
Q1. 9月のFSC総会で管理木材に関する動議が承認され、現在行われている制度改定に影響が出る可能性はありますか。
A1. 総会で管理木材に関する動議が承認される可能性はありますが、現在実施中の制度改訂作業には影響しない見込みです。来年から作成予定の管理木材戦略には影響を与えると思われます。
