今回の措置は、熱帯木材を表面の単板に使用した合板のサプライチェーンにおいてFSCとASIが実施した広範囲な調査の結果、FSC認証要求事項への違反が発覚したことによります。具体的には、非認証材を認証材として販売している企業が発覚しました。
調査では、テリハボク合板を扱っているFSC CoC認証取得企業が対象となりました。調査の結果、Jiangsu High Hope Arserグループの企業と加工施設が認証材の数量を不正に増やし、ヨーロッパ市場に販売していることが判明しました。これらの企業のうち、2社は現在認証が一時停止され、更なる調査が行われています。これらの企業のうち、4社の認証は取り消されました。また同グループ以外の企業も含む調査が現在も継続されており、今後更なる追加措置が行われる可能性があります。
認証が取り消された企業:
- Jiangsu High Hope Arser Co., Ltd SCS-COC-005079
- Pizhou Arser Wood Co., Ltd. SCS-COC-003910
- Linyi Jujin Wood Products Factory SCS-COC-005939
- K-Sun Wood Company Limited SCS-COC-005572
認証が一時停止されている企業:
- Linyi Arser Haode Wood Co. Ltd SCS-COC-004969[
- Huaian Arser Wood Co., Ltd. SCS-COC-003753
認証が一時停止されている2社は、不正を是正するために特定の行動を実施する必要があります。不正が是正されるまで、これらの企業はFSC商標を使用することができません。認証が取り消された企業は、FSC制度から追放されているため、FSCの名の下で製品の取引を行うことはできません。
FSCは、このような措置をとることで、責任ある木材や木材製品の調達におけるベンチマークとして信頼性を最も大切にしている姿勢を示しています。疑わしい状況について、徹底的に調査をすることでFSCは、FSCラベルを誤って使用している企業が、相応の罰則を受けることを保証しています。
FSCは、リスクの高いサプライチェーンにおいて、いくつかの方法を用いて信頼性を守る活動することで、制度における違反事例を減らしています。現在は、ブロックチェーン技術に基づく、取引情報伝達のためのプラットフォームを模索しており、これによってサプライチェーン全域における信頼性を向上させることを目指しています。
中国で生産された合板について、FSC表示の不正のリスクが見つかり、2019年7月にFSCとASIでは合板サプライチェーンにおける取引情報の照合を実施しました。その結果、今回のJiangsu High Hope Arserグループの件が発覚しました。
取引情報の照合とは、特定の製品タイプ、製品グループまたは特定の地域を対象に一定期間の取引データを比較検証することで、FSCの信頼性と正確さを守るためのツールです。今回の調査では、2019年上半期にテリハボク合板の取引を行った認証取得者が対象となりました。
テリハボクはテリハボク科の熱帯植物で主にアジアに分布しますが、一部アフリカ、オーストララシアや太平洋諸島に分布する樹種もあります。
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