取引情報の照合とは、特定の製品タイプ、製品グループまたは特定の地域を対象に一定期間の取引データを比較検証することで、FSCの信頼性と正確さを守るためのツールです。取引情報の照合は、FSCの審査・監査においてリスクが確認された際に実施されます。リスクが特定された場合、関係するすべての認証取得者は、関連取引情報の提出を求められます。2018年以降、現在までに世界中で1500社以上の認証取得者が取引情報の照合に協力しています。

2018年から始まった取引情報の照合が軌道に乗ってきたことから、FSCでは取引情報の照合をより活発に実施する方針であり、対象には南アフリカ、アジア、ヨーロッパの木炭製品オークのフローリング製品桐製品、ユーカリ製品が含まれます。今回Cumaru、Jatoba、Ipeという3つの樹種について、取引上の誤ったFSC表示や不正確な数量リスクの可能性があるとして対象に加えられました。調査対象は、これら樹種の森林資源データ、森林管理区画の現地調査、丸太やウッドデッキ、フローリング製造工場、そしてアメリカ、ヨーロッパ、カナダ市場への販売拠点が含まれます。

まずASIが認証機関に対して、FSC認証製品の取引情報の提出を要請します。ケースバイケースで提出が必要なデータのサンプルサイズ、製品タイプ、提出頻度や期間がASIによって決められます。認証取得者には、認証機関から連絡がされ、特定の期限までに取引情報の提出を求められます。認証機関によって収集された取引情報は、ASIに共有され、ASIによって情報の照合作業が行われます。ASIではEU一般データ保護規則を確実に守り、取引情報の照合目的のみにこのデータを使用するため、厳格な情報セキュリティ対策を取っています。取引情報の照合作業が完了した際には、すべての取引データは削除されます。取引情報の不一致が確認された場合、認証機関によって問題の是正をするための措置が取られます。

今回の取引情報の照合に関してデータの提出が求められる認証取得者には、6月末までに認証機関から提出期限や要請内容について直接連絡がされます。

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