FSCは2025年10月1日、新たなアドバイスノート「FSC認証製品の販売実績なし」の情報開示(ADV-STD-20-011_15_V1-0)を公開しました。これは FSC-DIR-20-011 「認証機関向け認定規格のCOC認証審査に関するディレクティブ」の15ページに記載されており、本アドバイスノートは2026年1月1日より発効します。

このアドバイスノートにより、組織が認証機関に「FSC認証製品の販売実績がない」ことを報告した場合、この情報は公開されることになります。2026年1月1日より、FSCデータベース(FSC検索)で閲覧者は「FSC認証製品の販売実績なし」を申告した認証取得者の名称を確認できる機能が追加されます。企業は、この情報をデューデリジェンスやコンプライアンスのプロセス、および取引先とのコミュニケーションに活用することが推奨されます。

最近実施されたユーラシア地域における信頼性確保のための作業計画竹製トイレットペーパー事例などの調査において、「FSC認証製品の販売実績なし」と報告していた認証取得者による不正なFSC表示が問題として特定されました。これまで、販売実績ゼロという情報は公開されていませんでした。しかし、不正表示はFSC認証制度上、信頼性に重大なリスクをもたらすため、販売活動状況を公開することでシステムの透明性をさらに確保します。

認証機関は既にこの情報を収集しているため、本アドバイスノートの変更点は、この情報を公開できるようにする、という点です。さらに、認証機関は「販売実績なし」という状況が、前回の審査からいつの期間にわたるものかを入力します。FSCは、この変更が円滑に実施されるよう支援するため、認証機関向けの追加ガイダンス文書を作成しています。

 

コンサルテーション

2025年7月11日から8月10日にかけて、関心のある利害関係者に向けた、アドバイスノートの草案に関する意見募集(コンサルテーション)が実施されました。全体としてその結果は好意的であり、回答者の大半が草案の変更点は明確であると回答しました。しかし、認証機関による本変更の導入・運用面に関して、データプライバシー、作業負荷、および本変更の総合的な価値について懸念の声がいくつか上がりました。これらの懸念事項はアドバイスノートの最終版に反映されています。

 

アドバイスノートの内容またはプロセスに関してご質問やご意見がございましたらchainofcustody@fsc.orgまでご連絡ください。
 

今回のコンサルテーションに参加いただき、建設的なコメントをお寄せくださった全ての利害関係者の皆様には改めて感謝申し上げます。

 

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