取引情報照合調査の第一段階はデータの収集と分析で、2023年5月から11月にかけて実施されます。241,600haの森林をカバーする56社のFM認証取得者と368社のCoC認証取得者を対象に2022年1月から2022年12月の取引データが収集されます。FSCとASIでは不正表示の可能性を調べることに加えて、ベトナムにおけるFSC認証材の資源分布を明らかにしたいと考えています。

ASIは、木質ペレットサプライチェーンだけでなく、端材がペレット製造のために用いられることの多い、家具、家財、建材などの他の木材製品のサプライチェーンに属するFMおよびCoC認証取得者の取引データを収集します。従って今回の取引情報の照合調査は森林から始まり、木質ペレット加工業者に至るまでの取引をカバーします。また原材料を輸入している企業も調査対象です。

今回の調査の対象となるCoC認証取得者は、丸太、おが粉、製材屑、無垢材を認証範囲に登録している企業です。これらは木質ペレット製造の際に原材料として用いられることが多い製品タイプです。

FSCとASIが今回の取引情報照合調査を実施する決定を下した背景には、2020年から2022年にかけてベトナムで実施された木質ペレットサプライチェーンにおける取引情報照合調査の結果、FM認証取得者によって生産されたFSC認証材とCoC認証取得者によって木質ペレット生産に用いられたFSC認証材の数量に大きな差異が確認されたことがあります。これはベトナムにおけるFSC認証制度の信頼性に対する高いリスクであると考えられています。

FSCではすでに前回の取引情報照合調査で不正に関わったことが確認されたベトナムの企業をFSC制度からブロックしています。

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