第10回目となる今回は、「持続可能な森林管理のための担い手育成」をテーマに、林業労働を専門とする愛媛大学名誉教授の山田容三先生にお話しいただきました。
人口が減り続ける山間部で急務となっている林業労働者の確保。しかし、林業は収入、安全性等の条件からは魅力ある職業とは言い難いのが現状です。単なる労働力ではなく、労働者を、自ら考え、環境や経営、更には社会に積極的にかかわる「担い手」へと育成するための条件として、魅力のある職場(安全)、やりがいのある仕事(処遇)、誇りの持てる職業(社会)という3つの点をお話されました。
安全面については、日本と欧米の林業機械のつくりの比較から、安全性を第一に考える欧米と比べ、人間を「労働力」と考え、安全性よりも能率を重視する日本の風土を浮き彫りにしました。能力評価システムや、最新のICT技術など、林業者が活用できるツールが紹介され、最後はその可能性を見据えつつ、「森林を健全に保つには、まず森林をよく見て考えることから。森づくりはそのような人づくりから」という普遍的な森づくりの哲学を訴えられました。
本勉強会には103名の方にご参加いただき、大変盛況のうちに終了いたしました。
「責任ある森林管理のための勉強会」は、全国のFM認証取得者や、FSC認証木材に関わるCOC認証取得者の皆様をはじめ、FSC認証にご関心のある皆様を対象に、責任ある森林管理に関する有用な情報を提供するために企画しているオンラインセミナーです。
FSCジャパンでは、今後も様々なテーマでセミナーを開催する予定です。