AAFは認証取得者(CH)へ向けたFSCの基幹的機能、サービスをサポートするために設立されたもので、前回の改正は2008年に実施されました。
その対価として、FSC認証取得者は、国、地域、国際レベルにおけるFSCのマルチステークホルダー・ガバナンス・システムのマネジメント及びさらなる発展;FSC方針及び基準のグローバル・システム、またその情報の維持管理;民間のパートナーとのコラボレーションを含む、グローバル及びローカルでの広報、マーケティング;商標管理と保護;FSC苦情解決システムのさらなる展開と政府や市民社会の政策提言などの分野でさらなるレベルの取り組みを期待することができます。
大多数の認証取得者の増額分は僅かです
大多数のFSC認証取得者に対してはAAFの若干の増額が見込まれます。AAFとは認証取得者が年次監査の際に認証機関を通じて支払っている費用の一部です。
改正後の金額に関しましてはこちらの新AAF方針(英語)をご参照ください:http://fsc.org/aaf_revision
大多数のFSC認証取得者は年間50ドルから400ドルの増額をお願いすることになります。より高い売上高クラスに分類される一部の企業にはより大幅な増額、一方で小規模な企業やコミュニティには積極的な認証取得や関与を促進するため、最小限の増額となります。
認証取得者のニーズに応える
AAF方針改正の根拠は二点あります。
1. 認証企業からのサービスに関する要求が増えていること
2. FSCがこれらの要求に対し、国、地域、国際的なレベルで対応したいと希望していること
この改正によって追加される収入は、おもに現存のネットワークパートナー(ナショナルオフィス)とFSCが確実にプレゼンスを確保すべき特定の国への投資に使われる予定です。その際には、FSCの使命を達成するための「一つの」世界的組織としての発展に必要な責任とパフォーマンスに基づく指標のシステムによって、進めていく予定です。
地域の戦略的投資
FSCの収益分配モデルも変更になる予定です。過去のAAF徴収及び分配のモデルとは異なり、新しいモデルでは徴収した金額の一定割合をその国内に留め、国内、地域、また国際的な活動や成長の支援に充てられます。言い換えれば、認証取得者はお支払いいただくAAFが、FSCジャパンや地域オフィスからのFSCのサービス及びローカルサポートとなって直接的に還元されることを実感できるようになります。
さらに、FSCは重要国での特殊な認証リスクの対応及び管理、また世界、特に熱帯地域における、未開発もしくは開発途中のマーケットの活性化にも投資します。
メンバーから求められた変化
2011年総会では、FSCメンバーから全体的な戦略的財務見直しを求められました。この要求を実行するに当たり、FSC事務局はプライスウォーターハウスクーパース(ロンドン)のマネジメントコンサルタントチームとサステナビリティ社と契約を結びました。
プライスウォーターハウスクーパース(PwC)とサステナビリティ社が提示した結論は、しっかりとしたナショナルオフィス及び地域オフィスがFSCのマルチステークホルダー・モデルにとっての重要な要素であり、そこから世界規模での責任ある森林管理の継続的な成長を導いて行くべきであるということでした。様々な重要な活動のうち、私たちのナショナルオフィスや地域オフィスはFSCの森林管理基準の開発を支援・管理し、マーケティングやプロモーションの実施、民間企業のパートナーによるFSC製品の購入・販売拡大の支援、商標保護の提供、政府や市民社会の政策提言にも参画し、世界に広がるFSCの最前線のオフィスとしての役割を務めます。
さらに、コンサルタントチームの結論では国内のマーケット開発に対するさらなる資金アクセス、国、地域、国際レベルでのキャパシティ・ビルディング、特定マーケットにおけるリスク管理にさらに注力する必要があることが強調されていました。よって、これら三分野のパフォーマンスとサービスの提供を改善することが、FSCの前進に向けては重要な点となってきます。
数ある中の一つのプロセスが、より堅固なFSCをつくる
AAF方針改正はFSCの中で行われている複数の作業のうちの一つで、それらすべては未来の挑戦のために備えた強固な認証システムの構築というゴールに向けて進められています。新しいAAF方針の第一の目標は、FSCが国、地域、国際的なレベルでより幅広い取り組みやマーケット開発を通じて、認証取得者により大きな利益をもたらすことです。
「私たちはAAF方針の変更とFSCの組織としての内部再編成が皆様及びその他利害関係者の方々に受け入れられることを願っております。私たちはFSCのシステムは現在大きな変化の過程にあると認識していますが、これらすべての変化がFSCを皆様に信頼していただける、よりしっかりとした、迅速に対応できる認証システムに移行させるための計画のもと進められています。ご安心ください。私たちは解決策を見つけ、皆様に利益をもたらせるように、力を尽くします。そして、最終的には、より強力で、より統一されたFSC組織によって、皆様に、そして地球上の森林の両方に利益をもたらすことを約束します。」−FSCインターナショナル事務局長、キム・カルステンセン
- FSCを一つのグローバル組織に再編するプロセスの詳細(第8動議)については、下記「ワン・グローバルな組織を構築する(第8動議)」をご覧ください。
- 現在のAAF方針は、下記「FSC-POL-20-005 V1-0」をご覧ください。
- 新しいAAF方針は、下記「FSC-POL-20-005 V2-0」をご覧ください。
