このカンファレンスは、最近世界中で使い捨てプラスチック製品の使用を制限する運動が広がっており、欧州議会がいくつもの使い捨てプラスチック製品を全面禁止することを決定したことを受けて開催されました。背景には廃棄されたプラスチック製品から生じたマイクロプラスチックが河川・海洋を汚染していることが明らかになってきており、世界中で注目され始めているということがあります。
使い捨てプラスチック製品に代わる自然由来かつ再生可能(リサイクル可能、生分解性素材など)な製品は既に存在しており、うまく使用することでプラスチック製品に置き換わることができると考えられています。このような代替製品には、責任ある森林管理やリサイクル原材料に由来するFSC認証の紙、板紙、木材製品も多く含まれます。今回のイベントは、このような代替選択肢を幅広く提示し、多くの関係者に知ってもらうための非常によい機会となりました。
既に多くの人が利用している使い捨てプラスチックの代替製品には、紙袋や紙コップなどがあります。これらの中には複数回使用できるものもあり、Beautiful Cups社では彼らの製品のリユースを推奨しており、またRenewi社と提携して、紙コップをトイレットペーパーに再生するプロジェクトを行っています。
紙の飲料容器はおよそ75%が板紙でできており、多くがリサイクルされています。テトラパックでは、この分野での革新的な取り組みとしてバイオプラスチックを含む自然の資源100%で飲料容器を製造しています。同社ではいくつかのパッケージで使用されている薄いアルミ保護フィルムの代替品も模索しています。
Arjowiggins Graphic社は高品質な印刷用リサイクル紙の製造メーカーとして有名ですが、一方で多くのパッケージ用の板紙も製造しています。同社の紙袋やパッケージ製品は非常に好まれており、同社では顧客のニーズを先読みし、様々な新製品を開発しています。最近では例えば、従来のプラスチック製のものと変わらない品質で使用できる紙のポイントカードを開発しました。
使い捨てのお皿、スプーン、ナイフ、フォークのような食器には、様々な生分解性の製品や生物由来の製品があります。例えばNatureko社では数多くの紙の食器をFSC認証製品として提供しています。2019年にはこのような製品がより増えることでしょう。
板紙・ダンボールのパッケージ自体は新しいものではありませんが、この分野でも革新的な取り組みをしている企業があります。例えばDS Smith社は、インターネット・ショッピング業者に対して、製品ごとに仕様を変えたパッケージを提供し、資源の無駄遣いを減らしています。同社では従来のプラスチック包装の代替としてダンボールのパッケージも提案しています。
板紙・ダンボールのリサイクル性は非常に高く、循環型経済へのシフトのためには欠かせない資材です。
DS Smith社では、より持続可能な資材を使いたいという顧客のニーズに応えるために、常にプラスチック包装に代わる製品のアイディアを出し続けています。最近では、プチトマトの容器を板紙から作りました。これは
カンファレンス参加者からはこれらの持続可能な製品がどこで、どのように入手可能なのかという質問が多くありました。
参加者の多くはカンファレンスの後にFSCベルギーのブースを訪れて、使い捨てプラスチック製品の代替としてのFSC認証製品について様々な話をしました。FSCベルギーは、パッケージデザインに関する海外のフォーラムでも話をしてほしいと招待され、全般的な印象としては、人々が今、使い捨てプラスチック製品の代替製品というトピックに非常に高い関心を持っていることが明らかとなるイベントでした。
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