欧州委員会は、利害関係者からのフィードバックや助言を得るため、EUDRマルチステークホルダー・プラットフォームを2020年に設置しました。FSCは、プラットフォーム設立当初から、持続可能な林業分野のリーダーとして参加しています。環境、社会、経済の利害バランスを取る仕組みに基づくFSCの一番の目的は、幅広い利害関係者と建設的かつ有意義な関わりを持つことであり、これはEUDRの実現に向けて重要なことです。

FSCは、長年に渡りEU諸機関と連携し、EUDRの議論が本格化する前から、改善のための見識や提言を示してきましたEUDRマルチステークホルダープラットフォームにおけるFSCの活動には例えばWWF EUによるTogether4Forestsキャンペーンへの参加や、熱帯林アライアンスTropical Forest AllianceTFA)による「smart mix」に対する立場への貢献が挙げられます。後者は、EUDRの実施が成功するよう、強制的なツールと自主的なツールの賢い組み合わせを提唱することを目的としています。

またEUDRマルチステークホルダープラットフォームへのFSCの貢献の中核は、EUDRの法的および持続可能性に関する要求事項と整合するように、FSCの厳格な森林管理のための持続可能な規格を継続的に改良することです。FSCでは現在、企業がEUDRデューディリジェンス義務を遵守するために役立てることのできるEUDRモジュールという自主的なツールを考案しています。

FSCは様々な手法を通じて、EUDRの実施と執行を支援していきます。これには、1)小規模森林所有者のサポート、2)先住民族の権利の強化、3)EUDRにおいてFSCが正しく使用されるようにEUDR規制当局へのトレーニング提供(「グリーンレーン」の選択肢を除く)、4)パートナー国との森林パートナーシップの確立と維持を支援することが含まれます。

さらに、今後EUDRマルチステークホルダープラットフォームには、欧州委員会のEUDRトレーサビリティ作業部会が統合される予定であり、これはFSCが林産物の強力なトレーサビリティのために次世代ブロックチェーン技術の活用に取り組んでいることの重要性をより高めます。FSCは最先端の技術を活用しつつ、現場での森林施業の現実を見抜くことで、EUDRへの適合をサポートしていきます。

最高水準の規格へのコミットメントや、EU透明性登録簿への登録からもわかる通り、透明性はFSCの活動の基本です。EUDRの基礎を築いたEUTR(EU木材規則)におけるデューディリジェンスへ重点を置いた10年以上の経験を基に、FSCはEUDRの実施においても重要なツールであり続けるように努めていきます。FSCは、森林破壊や森林劣化のような世界的な課題の性質に焦点を当て、解決のためにはすべての関係者による積極的な関与が必要であることを強調し続けます。

EUDRのマルチステークホルダー・プラットフォームにおけるFSCの関与は一貫しており、揺るぎないものです。プラットフォームは法的な目標と現場での持続可能な森林管理を調和させるというコミットメントを反映しており、EUDRの目標とFSCのミッションの相互強化を目指しています。

EUDRの実施に向けてFSCとの協同に関心のある方はにEUDR@FSC.org.ご連絡ください。

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