ディスカッションペーパーの概要
現在のFSCルールではポストコンシューマー回収材はFSC100%と同等の扱いですが、プレコンシューマー回収材は計算上、FSC含有率が0%という扱いです。

本ディスカッションペーパーではプレコンシューマー回収紙をFSC認証原材料として扱うことのメリットが多くあることを示しています。リスクもいくつかありますが、これらのリスクは低減でき、多くのメリットと合わせて総合的に評価した結果、プレコンシューマー回収紙をFSC認証原材料として扱うことを推奨したという結論が出されました。

一方、現在のFSCのリサイクルの定義はアメリカの多くの州政府やカナダの調達方針に採用されており、アメリカではすでにポストコンシューマー回収紙の回収の仕組みも発達しています。これらの国の製紙会社にとっては、FSCがルール変更を行えば、ダブルスタンダードとなることが懸念されます。

そこで、本ディスカッションペーパーでは以下の5つのシナリオを検討し、その結果シナリオDを推奨することに決定しました。

  • シナリオA 現状維持
  • シナリオB プレ、ポストの定義はそのままに、85%のラベル適用閾値を撤廃
  • シナリオC プレコンシューマー回収紙のFSC含有率を0~100%の間とする(例:50%) 
  • シナリオD プレコンシューマー回収紙のFSC含有率を100%とし、ポストコンシューマー回収材の含有率の表示を任意でしてよいこととする
  • シナリオE プレコンシューマー回収紙のFSC含有率を100%とし、アメリカとカナダ向けに販売される場合のみ、ポストコンシューマー回収材の含有率の表示を必須とする

シナリオDの詳細は以下の通りです。

  • プレコンシューマー回収紙はFSCリサイクル製品、FSCミックス製品の製造に使用される際にFSC含有率100%で計算をしてよい(ポストコンシューマー回収紙と同様)。
  • FSCラベル適用時のルールには変更なし。メビウスループ表示の際のパーセンテージはプレとポストの合計値。
  • アメリカ、カナダで製造されたまたは、これらの国に販売される紙についてはポストコンシューマー回収紙の割合をFSCラベルの横に表示してもよい。 

ディスカッションペーパーの原文では、以下の詳細も確認できます。

  • 2011年のFSC総会で出された動議(動議番号38番)
  • ブルーエンジェル、PEFC等、他の制度の考え方
  • リサイクル市場の動向
  • 行われた調査の概要
  • メリットとリスクの詳細
  • リスクの低減方法
  • シナリオA~Dの詳細

意見募集の期限
英語でお送りいただく場合は、下記コメントフォームに英語でご記入いただき、2014年1月15日までに、d.jung@fsc.orgまでお送りください。

日本語でお送りいただく場合は、氏名(ローマ字)・団体名(ローマ字)・電話番号・Emailアドレスを併せてご記入の上、2014年1月10日までに、info@forsta.or.jpまでお送りください。

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