ピレリは2011年からF1世界選手権の専属タイヤ供給契約を結んでおり、この度F1世界選手権をより持続可能なものにするため、契約を2027年まで延長しています。

ピレリによる世界で初めてのFSC認証タイヤであるPirelli P ZEROタイヤは2021年に発表されました(詳しくはこちら)。この発表をきっかけに世界の持続可能な天然ゴム市場は加速的に成長しています。すでにFSC認証天然ゴムを生産していたタイ、インドネシア、スリランカ、グアテマラなどの国では認証プランテーションの拡大が見られ、これまで認証天然ゴムを生産していなかったベトナム、中国、コロンビアなどの国でのFSC認証導入が始まっています。アジアとアフリカではマレーシアやコートジボワールなどで、これからも天然ゴムプランテーションがFSC認証を取得すると見込まれており、2024年に向けた持続可能な天然ゴム生産が加速していきます。

世界の天然ゴムの70パーセントはタイヤメーカーが調達しています。従ってタイヤ産業は世界の持続可能な天然ゴム生産のために非常に重要な産業です。認証されていない天然ゴムの収穫は、森林、生態系、地域コミュニティに悪影響を与えかねず、ひいては森林破壊や人権侵害にもつながる可能性があります。FSC認証はこれらの問題を解決するためのツールとして使えます。FSCは、森林管理(FM)認証を通じて、タイヤに使用される原材料が収穫される森林の生物多様性が保全され、地域コミュニティと労働者の権利や生活が守られることを保証します。

天然ゴム生産者、タイヤメーカーは、適切に管理された森林に由来する天然ゴムを使用することで、人々と森林を守りつつ、天然ゴムの恩恵にあずかることができます。

FSCのチーフ・コマーシャル・オフィサーのFabian Farkasは次のように述べています。「今回のピレリによる行動はモータースポーツをより持続可能にするための力強い一歩であり、最高峰のパフォーマンスと環境配慮が両立できるものであることを示していると考えます。自動車産業にとって天然ゴムは非常に重要なものであり、他の企業もFSC認証を通じて環境・社会・経済に配慮した管理がされている森林からの原材料調達を心掛ける必要があると考えます。」

FSCは、この世界の自動車産業やモータースポーツを持続可能なものにシフトしていくための歴史的な一歩を嬉しく思います。持続可能な天然ゴムの調達、世界の天然ゴム生産者の生活の向上に関心のある他の企業と協力していくことを楽しみにしています。

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