FSCと、FSCの信頼性保証に関する取り組みを行う上でのパートナーであるASI(Assurance Services International)は、2023年にアフロモシアの取引情報の照合調査を開始しました。この取引情報の照合調査を通じて、ASIはFSC認証アフロモシア(Pericopsis elata)の世界的なサプライチェーンの172の認証取得者から提出された取引データを分析しました。
2024年5月に報告されたように、の取引情報の照合調査の第一段階では、いくつかの高リスクな不一致が明らかになりました。ASIは、取引情報の照合調査の第二段階で、さらに調査が必要な8つのサプライチェーンを特定しました。また、ASIは、当初取引情報の照合調査範囲に含まれていなかった12の認証取得者を第二段階に含めました。取引情報照合調査の第二段階の結果は、前の段階で特定された数量の不一致のほとんどは、認証取得者とその認証機関によって提出されたデータの誤りに起因するものであることが分かりました。
ASIは、取引情報の照合調査の第一段階において、認証材の購入をゼロと報告しているにもかかわらず、FSC表示をつけた製品を販売している認証取得者がいることを特定していました。取引調査段階において、ASIは、これらの認証取得者が2008年から2021年の間に取得した在庫を販売に充当していることを発見し、これらの認証取得者による虚偽表示は行われていないことを確認しました。
取引情報の照合調査の一環として、ASIは関連する認証取得者が保管していた輸入書類と、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約 :CITES)の証明書も確認しました。取引情報の照合調査の第二段階で虚偽表示や不正行為が検出されなかったため、ASIとFSCは取引情報の照合調査第三段階は不要であると結論付けました。
背景
ワシントン条約(CITES)は、アフロモシアを絶滅の危機に瀕するアフリカの樹種としてリストアップしており、違法伐採の対象となりやすいく、FSCとASIには、FSC認証のアフロモシアのサプライチェーンにおける信頼性リスクについて、多くの利害関係者から懸念の声が寄せられていました。これを受けて、取引情報の照合調査が立ち上げられ、取引パターンとFSC認証林で伐採され、最終製品として販売される木材の量について調査が行われました。
アフロモシアは、カメルーンとコンゴ共和国が主な伐採地で、フローリングやキャビネットなどの家具製品といったFSC認証製品の主な消費市場はヨーロッパと北米です。
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