FSC認証規格の要求事項に違反をしていることが確認された企業は、FSC商標ライセンス契約の一時停止または取消し措置を受ける可能性があります。そしてほぼ確実にFSCはこのような企業が再度簡単にFSC認証を取得することができないようにブロックをします。企業のブロックや詳しい条件についてはこちらのADVICE-40-004-18 V2-0をご覧ください。

FSCの評判リスクに関する多くの申し立てを受けたASIとFSCは2020年にFSC認証木炭のサプライチェーンにおいて4回目の取引情報の照合調査を開始しました。この調査では、取引のパターンやFSC認証木炭の数量の一致を確認するだけでなく、過去の調査結果を受け、不正を防ぐための努力の効果測定も行われました。

2020年の調査では、様々な形態の木炭製品(FSC製品分類のW2)を認証範囲に持つ360社の認証取得企業が対象となり、2019年の取引データが認証機関へ提出され、このデータがASIによって収集、分析されました。主な結果は以下の通りです:

  • FSC認証木炭販売量が最も多かったのはナミビアであった。
  • 引き続き、木炭の加工と消費の最も大きなマーケットはヨーロッパであった。
  • 物理的な製品の所有を伴わない取引に関する新たな潜在的な信頼性リスクが発見され、より詳細な調査対象となった。
  • ASIによって発見された不正行為の大部分はCoC認証取得者間で行われていた可能性が高い。

FSC認証木炭の過去の調査では、取引データの分析だけでなく木材サンプルテストも実施され、特定の地域におけるリスクや不正を行っていた認証取得者が明らかとなりました。またこれらの調査の副次的な効果としてナミビアの認証林面積が増加し、木炭生産量も増えました。これらの調査ではナミビア認証取得者も対象となっていましたが、取引情報に関して信頼性リスクは確認されませんでした。

FSCは、樹種同定技術やブロックチェーン技術が制度の信頼性を向上するための重要な役割を果たすと考えています。2021年にFSCはブロックチェーンパイロットテストを中国とウクライナで開始しました。また安定同位体試験を用いた新たな木材起源トレースのためのパイロットテストも2022年に予定されています。更にFSCは、ASIと協力して不正リスクの特定された地域や樹種に関するサプライチェーンの調査を2022年も継続して行っていきます。

元記事はこちら