FSCジャパン ビジネスフォーラム2013

イベントレポート

2013年9月26日、27日、28日の3日間、FSCジャパンビジネスフォーラムを開催いたしました。
総勢350名の皆さまにご参加いただき、大盛況の3日間となりました。

各セッションでは、各企業のFSCに関する具体的な取り組みについて問題点等も含めてお話いただき、日本のビジネスにおいて、FSCをどのように活用していくか、今後の展開を予感させるイベントになったのではないでしょうか。また、セッション後のパーティーでは、参加者の皆さま同士、積極的に交流されている様子が大変印象的でした。
以下に各講演の簡単なレポートを掲載いたします。


基調講演
世界のFSCユーザービジネスの動向

FSCジャパンビジネスフォーラム2013 基調講演 (© FSCJapan)© FSCJapanFSC本部
FSC全体の基本的なミッションや、メカニズム、統計資料のご紹介から、オフィス・デポやテトラパック、キンバリークラーク、LEGO、ヒューレド・パッカード等、世界のFSCユーザーの事例についてお話しいただきました。また、現在進行中の本部プロジェクト「グローバルブランドポジショニング」「マーケットプレイス」についてもご説明いただきました。

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ユーザーセッション
私たちがFSCを選ぶ理由 part1

FSCジャパンビジネスフォーラム2013 ユーザーセッション1 (© FSCJapan)© FSCJapan王子グループ
王子ネピアや王子タイムリーへのFSC採用理由や採用した結果、またそれを通して直面している「FSCの認知度の低さ」という課題と、それに対する王子グループの認知度向上の取り組みについてお話いただきました。

花王
環境宣言をきっかけに、携帯用リセッシュを始めとした製品パッケージにFSC認証マークをつけるまでの具体的な経緯、その中で浮かび上がった様々な疑問や、認証紙への取り組みの難しさ、マークのサイズに対する具体的なご要望などをお話しいただきました。

三菱地所ホーム
ツーバイフォー住宅における、輸入材の使用が一般的な構造材への国産材採用、さらにFSC認証材採用に至るまでの経緯、建材としての具体的な利用法についてお話しいただきました。また、国産材、FSC材採用の意義についてもお話いただきました。

三井物産
FM認証取得企業としての立場から、他の森林認証との比較と共にFSC認証を取得するに至った理由、さらに身の回りでの木材利用の減少という日本の課題へどう対応していくかについてお話いただきました。また、森林資源投資先の選択の基準としてのFSC認証についてもお話いただきました。

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ユーザーセッション
私たちがFSCを選ぶ理由 part2

FSCジャパンビジネスフォーラム2013 ユーザーセッション2 (© FSCJapan)© FSCJapanアサヒビール
FSC認証林アサヒの森において、FSCの原則に照らし合わせて具体的にどのような活動を行っているのかご紹介いただきました。また、森林経営の専門家ではないという立場から見た、森林管理の指針の一つとしてのFSCのメリット等をお話しいただきました。

日本生活協同組合連合会
トイレットペーパー等紙製品のFSC認証の採用の経緯、エコマーク等の他の環境配慮認証とFSC認証の認知度や商品数の比較とその理由、今後紙製品以外のFCS認証商品を取り扱うために考えられる課題などについてお話いただきました。 

コーセーコスメポート
FSC認証マークを製品パッケージにつけるに至ったきっかけや、FSC認証紙をシートマスクそのものに採用した理由、消費者の環境意識啓発を目的とした、「環境への取り組みの見える化」としてのマークの利用についてお話しいただきました。 

富士ゼロックス
FSC認証コピー用紙を取り扱うなかで経験した、原料調達に対する環境団体からの批判・マスメディアによる報道に対し、どのように対応し、解決したのか、また今後の課題として、FSC認証製品のコストが高いことが普及の壁になっている点についてお話しいただきました。

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サプライヤーセッション
FSC認証紙・木材供給の今

FSCジャパンビジネスフォーラム2013 サプライヤーセッション (© FSCJapan)© FSCJapan王子グループ
海外でのFSC森林認証の取得の推進、重点的に取り組んでいる最終消費材へのFSC製品投入、パルプ事業のグローバル展開、木材製品への展開についてお話しいただきました。また、FSC認証の活用において、認知度の低い中、制度の厳格化への対応、認証費用アップへの対応は厳しいというご指摘とともに、FSCへの要望として、FSC本部には、日本を最重要市場の一つと位置付けたプロモーションサポートの強化、基準改定に際しての意見聴取の実施などの配慮を、FSCジャパンに対しては、機能強化、FSC本部や市場に対しての発言力の強化を求められました。

三菱製紙
早くからFSC認証取得に取り組んだ経緯や、環境教育などの取り組みについて、また、二ヶ所の製造品目の異なる工場を持つため、様々な種類のFSC認証紙を製造することが出来る点についてお話しいただきました。さらに管理木材の調達、認可を得る際の製紙会社としての苦労をお話しいただきました。

竹尾
独自のデータ分析から、FSC認証紙の需要の拡大、海外トレンド、FSC認証紙のこれまでの辿ってきた広がりと、現在の方向性についてお話しいただきました。また、特殊な商品のバリエーションが少ないという問題点にどのように対応してきたか、お話しいただきました。

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ユーザーセッション
私たちがFSCを選ぶ理由 part3

FSCジャパンビジネスフォーラム2013 ユーザーセッション3 (© FSCJapan)© FSCJapanイトーキ
会場であるイトーキ京橋イノベーションセンターSYNQAがプロジェクト認証を取得するまでの具体的な経緯、取得に際して感じたプロジェクト認証に取り組む上での重要なポイント、国産材に限定したからこそのメリットなどをお話しいただきました。

博報堂
FSC認証をツール・共有価値であるととらえ、各企業に求められるCSR活動に対する、日本に元々ある知恵や伝統文化を活かした情緒的なアプローチの必要性、また具体的にサステナブル・ブランドの必要条件としてFSC認証を活用出来る場はどういった部分なのかお話しいただきました。

FSCアジアパシフィックオフィス
FSCが現在開発中の新システムOCPについて、具体的な内容、使い方などをお話しいただきました。詳細はこちらをご覧ください。

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特別セッション

FSCジャパンビジネスフォーラム2013 特別セッション3 (© FSCJapan)© FSCJapanWWFジャパン
インドネシアでは現在も破壊的な林業による紙の原料調達が行われており、多くの紙製品をそこから輸入する日本の紙利用は、世界の先進国と比較すると大きく遅れていることをご説明いただきました。日本では紙の節約や古紙の利用が長く推進されてきましたが、より森林資源に直結するバージンパルプの環境・社会への配慮の必要性についてお話いただきました。

FoE Japan
国際社会の中で違法伐採がどのように行われているか、EU、米国、豪州それぞれの取り組みについて、それらの対策の中で森林認証が果たす役割にも触れながら、具体的にお話しいただきました。また各国の取り組みと比較して、日本の違法伐採対策が大分遅れていること、それにより起こりうるリスクについてもお話いただきました。

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寄せられたご質問(一部)

Q1 世界のFSC認知度について、ヨーロッパの認知度が高いのはなぜでしょうか。

A1 認知度の高い国では大手企業との消費者向けキャンペーンを多数実施しているという背景があります。ただし現状では各国共通の認知度調査を行った結果というのはまだありません。正確な世界の認知度調査結果は、現在FSC本部で進めている、日本を含む世界10ヶ国を対象に、各国の消費者のFSCに対するブランドイメージ解析し、世界的かつ地域的なFSCプロモーションに資するデータを得るための「グローバルブランドポジショニング」という市場調査の発表をお待ちください。

Q2 多様な認証製品の中で、どのような種類の認証製品がより多く購入されており、またFSCラベルのついた商品はどういったものが多いのでしょうか?

A2 こちらについても、グローバルブランドポジショニングの結果をお待ちください。

Q3 丸太として出荷されたものがどれくらいの比率でどのような形態で最終消費者の手に届いているのかがわかるデータはございますか?

A3 現在本部の方で新しく進めているOCPというシステム導入の翌年にはまとまったデータが出る予定です。

Q4 FSCリサイクルへの要望が高まっています。FSCリサイクルの定義はなんでしょうか?

A4 FSCリサイクルとするためには、新聞古紙などの消費者の手にわったった後に回収・再生された使用後再生材を100%使用したリサイクルされたものでなくてはならず、工場の棄損紙といった使用前の古紙や、認証材や管理木材であってもリサイクルされていないバージンパルプが混入された製品には付与することが出来ません。日本の既存の古紙原料の流通は、使用前の古紙と使用後の古紙を混入してリサイクル紙の原料としている場合が多く、FSCリサイクルの基準を満たすことが困難です。とはいえ、こういった基準を満たしながら、いくつかのFSCリサイクル製品が板紙等で流通し始めているので、日本でも、これから伸びていく分野ではないかと考えられます。

Q5 消費者が余分に支払っても良いと考える価格プレミアムはいくらくらいですか?

A5 価格プレミアムは業界や製品タイプ等によって様々です。いくつか資料がございますので後日紹介いたします。→価格プレミアムを含む森林認証がもたらす経済的価値についての資料・記事は下記をご覧ください。

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