森を守るFSCマークとは

FSCジャパンでは、全国の中学生と高校生を対象に森林を守るFSCマークの普及アイデアを募集する “FSCアワード 2020”を開催します。
皆さんにアイデアを考案頂くにあたり、世界の森林が抱える問題や、FSCマークについて分かりやすくご説明します。
FSCアワード2020についてはこちらをご覧ください。


事前勉強会

世界の森林事情や日本の消費活動との関係、FSCマークについてご説明する事前勉強会を開催しました。
以下より録画をご覧いただけますので、FSCアワード2020への応募を予定している中学生・高校生の皆様はぜひご覧ください。


いま、世界の森が危ない

森を守るFSCマーク (© FSCジャパン)© FSCジャパン私たちは森林の様々な恵みを利用して日々暮らしています。例えば、森林は紙や木製品の原材料となる木材、きのこや山菜等の食材、豊かな水等を供給しています。また、野生生物の生息の場、二酸化炭素の吸収と酸素の供給、土砂災害の防止という役割も担っています。
このように、私たち人間が地球上で暮らしていくために 欠かすことの出来ない森林は、残念ながら今も破壊され続けています。天然林の面積は、2010年から2015年の間に、平均年間6,500,000ha減少しています。これをサッカー場の面積で計算すると、3.5秒毎にサッカー場1面分の天然林が失われていることになります。


森を守るFSCマーク (© Eyes on the Forest)© Eyes on the Forestこのような森林破壊は、特に熱帯の地域で深刻化しており、例えばインドシアでは、紙パルプ用の植林地開拓のために、天然林の伐採や、効率よく植林地として使用する準備として火入れが行われ、天然林の破壊が行われています。


野生生物への影響

森を守るFSCマーク (© FSCジャパン)© FSCジャパンこのような森林破壊によって、そこに生息する野生生物は住処を奪われ、絶滅の危機に追いやられています。


人々への影響

森を守るFSCマーク (© Eyes on the Forest)© Eyes on the Forestまた、6000万人の先住民族を含む約3億5000万人が毎日の生活を森林に依存しており、森林の中や周囲で暮らしていると言われています。森林破壊によって、野生生物だけでなく、そのような森とともに生きる人々も暮らしの場を奪われており、抵抗する地域住民への暴力や不当な逮捕が行われています。


気候変動への影響

森を守るFSCマーク (© FSCジャパン)© FSCジャパン森林破壊は、気候変動にも大きな影響を及ぼしています。IPCCの調査によると、2007年〜2016年に人類のさまざまな活動によって排出された二酸化炭素のうち、13%は農業や林業等による土地利用に起因するとされています。


木材を使いながら森を守るために

森を守るFSCマーク (© FSCジャパン)© FSCジャパンFSCは、このような森林の問題を解決するために、1994年に設立されました。1980年代、欧米では熱帯産の木材が環境破壊や人権侵害に繋がっているということで、熱帯材の不買運動が起こっていました。しかし、不買運動では、適切に森林管理を行っている生産者の木材も区別なく不買につながり、木材が売れなくなった林業者が森林を伐採し、農地に転換してしまうなど、結果的に森林破壊を止めることはできませんでした。 そこで、適切に管理された森林からの木材を区別して購入できる認証制度の必要性が検討され、26カ国の環境NGO・林業者・林産物取引企業・先住民団体などが中心となって設立されたのがFSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)です。


森を守るFSCマーク (© FSCジャパン)© FSCジャパンFSC認証は、森林の管理を認証するFM(Forest Management)認証と、加工・流通過程の管理を認証するCoC(Chain of Custody)認証の連鎖から成り立っています。FSC認証製品が消費者の手に届くまでには、森林から最終製品になるまでの生産、加工、流通に関わるすべての組織が認証を受けなくてはなりません。また、FSC認証の審査・発行は、FSCではなくASIという認定機関から認定を受けた独立した第三者の認証機関が行います。
消費者は、FSCマークを目印に製品を選ぶことで、森林の生物多様性を守り、地域社会や先住民族、労働者の権利を守りながら適切に生産された製品を選んで購入することができます。


森を守るFSCマーク (© FSCジャパン)© FSCジャパンFSCのFM認証の審査は、世界的に統一された10の原則と70の基準に基づいて行われます。この原則と基準は、森林に関係する世界の利害関係者の声を集め、多様な生物が生息できる豊かな森林か、森林の伐採量を適切に管理しているか、森で働く人々が安心して働ける環境かなど、経済・環境・社会の3つの視点から作られたものです。さらに、原則と基準の下に、各国の状況に合わせて定められた細かい指標があります。認証審査では、すべての規格について問題がないと判断された場合にのみ認証が与えられます。


SDGsに貢献するFSC認証

森を守るFSCマークSDGsには17の目標と169項目のターゲットが定められていますが、FSCはその中の14の目標と40項目のターゲットに対して貢献します。 直接的には目標15の「陸の豊かさも守ろう(Life on Land)」において達成度を測る指標のひとつとなっていますが、それだけでなく貧困、飢餓、健康・福祉、教育、男女平等、安全な水、クリーンなエネルギー、労働環境、責任ある生産活動と消費活動、気候変動、海の豊かさ、平和と公平、パートナーシップ(それぞれ目標1、2、3、4、5、6、7、8、12、13、14、16、17に対応)に関する目標についても達成に貢献します。


世界の森林破壊と私たちの関係

森を守るFSCマーク (© FSCジャパン)© FSCジャパン皆さんの身の回りには木材製品や紙製品がたくさんありますが、これらの原材料がどのような森から来ているか知っていますか?日本は国土の約66%が森林であり、国土面積に占める森林面積=森林率では、フィンランドに次いで世界2位の森林大国ですが、木材自給率は36.6%(平成30年木材需給表より)となっており、日本で消費される木材の多くは海外からの輸入でまかなわれています。英国王立国際問題研究所の調査によると、日本に輸入される木材製品の12%、紙製品の7%は違法リスクが高いと報告されています。また、日本は合板の輸入量世界3位、製材品の輸入量世界4位、紙の使用量世界3位など、世界的に見ても森林資源の消費大国です。日本に住む私たちにとって、世界の森林破壊は他人事ではなく、私たちが普段消費している製品の中には、森林で暮らす生き物のすみかを奪い、人々の権利を侵害しながら伐採された木材が含まれているかもしれません。


森を守るFSCマークを選ぼう

FSC認証は、森林の生物多様性を守り、地域社会や先住民族、労働者の権利を守りながら適切に生産された製品を消費者に届けるためのマークです。私たち日本人の消費は世界の森林と密接に関わっており、FSCマークの製品を選ぶというアクションをより多くの人に知ってもらうことが森林保全につながります。


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