認証取得支援プロジェクト

FSCジャパンでは、日本テトラパック株式会社の協力をうけ、宮城県南三陸森林組合のFSC認証取得支援を行っています。

©日本テトラパック株式会社宮城県南三陸町森林組合は、林業振興を通じて、東日本大震災で被害を受けた南三陸町の復興を目指しています。

日本テトラパックキャンペーンサイト「どうぶつほんねマーチ」に設置された支援ボタンをクリックいただいた数に応じて、日本テトラパックより、南三陸町森林組合へ、FSC認証取得費用の支援が行われます。

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南三陸林業の目指す姿

産業の活性化と世界に広める「南三陸杉」ブランド

南三陸町森林組合フォーラムも開催 (© Masahiro Kawatei)© Masahiro Kawatei南三陸町では、「南三陸杉」のブランド力向上のため、日本や世界の人々に「南三陸杉」の名前を広めようとしています。より多くの人に「南三陸杉」の良さをしってもらうために、具体的な例として、以下の取り組みを行うことを考えています。

木材の魅力で木工基幹産業づくり
「南三陸杉」の魅力を引き出すアドバイザーと共に木工商品の開発を行い、地域で職人を始めとする雇用できる製品づくりと流通づくりなど基盤を作り、衰退した南三陸町の物づくり文化の再生を林業から目指します。

家具デザイナー小田原健さんを囲んで (© Masahiro Kawatei)© Masahiro Kawatei

山林の魅力で観光教育産業づくり
木材生産以外の山の活用を模索していきます。例えば、ロケーションを活用したツアーの提供を行います。多くの方に南三陸の山に訪れていただき、山そのものの魅力や、南三陸の山と人のストーリーを、林業家目線で伝えていきます。

エコツアーで試作した南三陸づくしのお弁当 (© Masahiro Kawatei)© Masahiro Kawatei

こういった、山林の多面的機能を南三陸ならではのストーリーを外部ヘ発信し、「南三陸杉」の魅力をより広く認知してもらう必要があると考えています。さらに、この動きこそが、地元林業から行う「南三陸町」そのもののブランド化に繋がると考えています。

FSC認証を取得する理由

適切な森林管理の証明として、森林施業の道しるべとして

山の土場で見つけたFSCマーク (© Masahiro Kawatei)© Masahiro Kawateiこういったブランド力向上を目指す動きを行ううえで、適切な森林管理が行えているのかを証明する必要があります。現在、復興事業に伴う木材利用においては、合法木材の証明を行っていますが、合法木材であることと、適切な森林管理を行っている山から出た木材であることの証明は別物です。日本全体や、世界に南三陸材を発信する上では国際認証であるFSC認証取得が必要不可欠であると考えています。

さらに、個々の私有林だけでなく町有林、国有林を視野に入れる場合、森林施行の最低限のルールを設ける必要があります。FSC認証取得を機に、国際基準を元とするマニュアル化を行い、それを実行し、第三者機関に審査してもらうことで、林業という長いスパンで山を育てる生業であるが故の極端な時代的差異を無くし、森林保育の目的を見失わないよう、理念を継続的につないでいくことを期待しています。

現在の南三陸林業

認証取得に向けて

志津川湾に浮かぶ荒島 (© Masahiro Kawatei)© Masahiro Kawatei現在、南三陸では、南三陸林業のブランド力向上の第一歩として、南三陸森林組合をグループ管理者に置き、民間三者の山林に対するFSC FMグループ認証の取得を目指しています。また、FM認証に合わせて、町内の製材所や工務店もCOC認証を取得する予定です。まずは、民間主導によりFSCの認証管理のシステム化を先攻し、今後、大規模面積をもつ町有林、その他の民間の森林所有者にこの動きを広めていく予定です。

更に、現在の南三陸の海側の動きとして養殖業における国際認証(ASC)取得の動きがあります。FSCとASCの2つの認証取得が実現すれば、世界初の事例となり、まさに海と山が連環する南三陸ならではの特色として、山と海をつなぐ商品開発の可能性、「南三陸」の地域ブランド力の発信が期待できます。

この取組みが被災地からの狼煙という意味だけではなく、第一次産業の元気の狼煙となり、林業が再び国内の基幹産業となる第一歩になればと願っています。

南三陸町ってどんな町?

山、里、海は運命共同体

志津川中から町を望む (© Masahiro Kawatei)© Masahiro Kawatei南三陸町は、300〜500m級の五山に囲まれ、行政区が分水嶺で区切られている珍しい地形です。山の自然と恵みである八つの河川すべてが志津川湾に注ぎ、町民の多くは、山も里も海も連環しており、運命共同体であることの意識を持って生活しています。特に、林業に係る人々は、森林をきちんと管理しないと結果的に海も駄目になる、という思いをもっています。

東日本大震災を通して

自然と共生するまちづくりへ

南三陸町防災対策庁舎 (© Masahiro Kawatei)© Masahiro Kawatei南三陸では漁業を基幹産業としていました。そして、南三陸町の大きな魅力の一つとして山、里、海のつながりがあり、多くの自然資源を持っています。しかし、2011年3月11日の東日本大震災により多くの町民と財産を無くしてしまいました。それでも、多くの自然資源、特に山林はほぼ無傷で残り、自然の力によって町が破壊されても、自然は残され、その残された自然が南三陸町にとって揺るぎない財産であると、町民の多くは気づかされました。

この経験から、南三陸町は「南三陸町震災復興計画」の基本理念の一つに「自然と共生するまちづくり」を掲げています。この理念は、震災時の経験を活かし、また自然の恵みを最大限に活用しながら、災害に強く、安全で安心な町づくりを進めるという内容で、町内面積の77.1%を占める山林も町の財産として活用していく考えです。新しい町づくりを行う上で、地域の自然資源を活用し、自然と共生でき環境を生み出すことを目的としています。

しかしながら、現状の町内の森林は、町有林、私有林ともに、未活用の森が多く、未間伐林も多くあります。地域産業として力も弱く、材価の低迷もあり、山林所有者も山の活用方法が分からずに、意識を向けられない状況にあります。そこで、木材生産に限らない山を活用した持続可能な産業モデルを南三陸森林組合が中心となって確立し、町内の山林所有者に示すことで山林の活用を促し、南三陸のより良い森づくりを実現できると考えています。

南三陸林業の歴史

伊達政宗公も使用した強く美しい杉

南三陸町志津川磯の沢の林道 (© Masahiro Kawatei)© Masahiro Kawatei南三陸の林業は、1604年に仙台藩祖:伊達政宗公が仙台城を築き広瀬川をはさむ城下町に大橋を架ける際、南三陸に杉の大樹良材を求めたと故事が伝えられ、それ以降、仙台藩の良質な杉の産地として、植林が奨励されてきました。

南三陸の杉の特徴として、山が岩盤質のため栄養が少ない分、あまり太らず高く伸び、ゆっくり成長するため目が詰まり強度も高くなります。南三陸町の山主有志からなる林業研究グループ「南三陸町山の会」で行った検査では、全国平均を上回る強度を確認されています。さらに、薄いピンク色の赤身が特徴で、美しい色みと強さを兼ね備えています。

こういった良質材を南三陸町で、疲弊する地域林業の現状を踏まえ、地域の森林組合や林業家の方々、工務店とも連携しながら南三陸「山の会」を中心に、2008年から「南三陸杉」と銘打ち、ブランド化を目指し始めました。そして、2011年3月1日には、全国林業経営者コンクールで優勝し、南三陸杉は農林水産大臣賞を受賞しています。まさに、これからいよいよ南三陸杉ブランドを本格的に展開していこうという矢先、10日後の3月11日に東日本大震災が襲いました。

そして今、震災から3年が経ち、町の復興が進む中、改めて「南三陸杉」のブランド力を構築していこうという動きが出てきております。既に、地元林家と強い連携を持つ町内の製材所も被災から復活をとげ、さらに南三陸杉をメインに発信する工務店もあり、南三陸独自のトレーサビリティが整備されています。

Text : 佐藤太一(株式会社 佐久)

南三陸町では今日も山の営みが続く (© Masahiro Kawatei)© Masahiro Kawatei

南三陸杉だけを扱う製材所 (© Masahiro Kawatei)© Masahiro Kawatei

南三陸林業についてもっと知りたい方はこちら

復興アクション
南三陸町森林組合長のインタビューが掲載されています。 

南三陸町 復興情報発信ブログ「南三陸なう」 
南三陸町森林組合の震災後についてインタビューが紹介されています。

フォレストック協会
フォレストック認定を取得している南三陸町の森林について紹介されています。 

南三陸町観光協会
今回の認証取得プロジェクトのキックオフイベントとして2014年6月15日に開催された「南三陸森林組合フォーラム」について紹介されています。 イベントの模様はこちらをご覧下さい。

東北グリーン復興事業者パートナーシップ (© ©復興庁)© ©復興庁東北グリーン復興事業者パートナーシップ

この南三陸町の林業振興は、復興庁「新しい東北」先導モデル事業の一つである「東北グリーン復興事業者パートナーシップ」の取組みの一環です。

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