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Friday, 14 August 2015
音からはじまる森づくり〜クラリネットとFSC〜

演奏中の田中正敏さんと坂井瞳さん (© FSCジャパン)© FSCジャパン

 


6月17日に都内でクラリネットの演奏会が開かれました。この演奏会では、演奏の合間にFSCの紹介もされました。FSCとクラリネット---何か関係があるのでしょうか? この演奏会、主催はキャンプ・プラネッツ音楽事業部。「里山巡る季節の物語 夏 ~クラリネットの調べとともに~」と題して、美しい里山の写真が、田中正敏さん、坂井瞳さんの美しくも迫力あるクラリネットの調べに載せて紹介されました。今回はさらにゲスト・トークとしてアフリカやFSCについてFSCジャパンから紹介させていただきました。

実は、クラリネットにはアフリカン・ブラック・ウッド(スワヒリ語でMpingo/ムピンゴ)という木が使われているのです。ムピンゴは東アフリカ地域等で一般的に見られる木です。ムピンゴの材は楽器を作るために優れた品質を有し、世界的に最も高額で取引される材のひとつ。しかし、ケニアではムピンゴは既に伐採しつくされ、市場に出回ることがなくなってしまいました。タンザニアにおいても現在横行している違法伐採を止めない限り20年以内にはケニアと同じ運命をたどると予想されています。

そこで登場したのが、ムピンゴ保全開発イニシアチブ(Mpingo Conservation & Development Initiative)と言うNGO。タンザニア南東部の村で、FSC認証を取得するために森林管理計画の作成・運営などを支援。その結果、2009年に2つの村が共同管理する森林においてFSC認証を取得しました。そして、2011年にはイギリス最大手のクラリネットメーカーにより、世界初のFSC認証木管楽器が作られたのです。FSC認証取得前は、村人がムピンゴや他の木材を直接販売することはほとんどなく、あっても微々たる収入だけだったそうですが、それが5年間で200,000ドルの収益を上げるまでに。

また、社会的基盤も整備され、水の供給改善のため6つの井戸が掘られ、看護師と助産師の宿泊施設も建設されました。学校も6校建設され、制服も320着提供されています。FSCが重視する「環境・経済・社会」三つの側面のうち、社会面での貢献の素晴らしい実例ではないでしょうか。日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、FSCでは地域社会へ貢献を求めているのです。(参考*1)

認証を取得した一つの村の村長は「村人は初めて自身の木材を販売することにより得られる便益に気が付きました...私たちは現在自分たちの森林資源を自身で管理するようになり、将来的にはより多くの収益をあげられると考えています」と。さらに、NGOムピンゴ保全開発イニシアチブは、「FSC認証を貧困軽減および森林保全のための革新的な解決策と見る」と言っています。

FSCジャパンではこうした取り組みの拡大を目指して、現地NGOと一緒にプロジェクトを検討中です。また、クラリネット奏者の田中正敏さん、そしてキャンプ・プラネッツ音楽事業部の方とは、音楽を通じてFSCを今後もっと広めていこうと意気投合したところです。(お問い合わせ:e.maezawa@jp.fsc.org)

紹介したスライドの一部は以下ダウンロードよりご覧いただけます。


 *1 FSCがコンゴ盆地の人々に、よりよい社会環境を提供

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ゲスト・トークとしてFSCジャパンからアフリカの状況、FSCについて紹介 (© FSCジャパン)© FSCジャパンムピンゴの実物を掲げて紹介するクラリネット奏者田中正敏さん (© FSCジャパン)© FSCジャパン




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